鈴鹿サーキットで行われた今季のF1第17戦日本GP決勝でスタートに失敗したメルセデスAMGのルイス・ハミルトンは、タイトル争いを演じているチームメートのニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、レッドブルのマックス・フェルスタッペンに次ぐ3位でレースを終えてしまった。
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■3連覇に黄信号がともったハミルトン
これによりポイントリーダーのロズベルグとの差は33ポイントに広がってしまった。今季の残りのレースはあと4レースとなっており、そのすべてでハミルトンが優勝したとしても、ロズベルグが2位の位置をキープできればロズベルグの初タイトル獲得が確定してしまう。2014年以来3年連続で自身4度目のF1タイトル獲得を狙うハミルトンが非常に厳しい状況に追い込まれたのは確かだ。
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダでさえ、今年ハミルトンがタイトルを獲得するのはほぼ「不可能」だと漏らしたと伝えられている。
■ハミルトンはプレッシャーに負けていないとヴォルフ
だが、メルセデスAMGの実質的なチーム代表であるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、まだハミルトンにもチャンスは残されていると次のように主張した。
「マレーシア(第16戦)では、ルイスが週末を支配していた。ところが、エンジントラブルが起きてしまったんだ。それを克服するのは簡単なことではなかったよ」
「そして、(鈴鹿で行われた)記者会見に関する騒ぎも起きてしまったしね」
ハミルトンは6日(木)に鈴鹿で行われたドライバー記者会見の席上でスマホをいじりながら「くだらない」と発進していたことが発覚し、F1関係者を始めメディアから大きな批判を受けることになっていた。
その件にも言及したヴォルフだが、そうしたことと鈴鹿でのスタート失敗は関係ないことだと次のように付け加えた。
「だが、私はそれが彼のスタートに影響を及ぼしたとは考えていない。その後、彼は素晴らしいレースをしていたよ」
■まだ逆転の可能性は十分にある
さらに、ヴォルフは今後もハミルトンがまたロズベルグを逆転するチャンスも十分にはるはずだと次のように続けた。
「私がここ数年で経験してきたことから言えば、24時間で状況が完全に変わってしまうこともしばしばあったしね」
「我々の大きな目標はルイスを助けることだ。だが、オースティン(第18戦アメリカGP/23日決勝)まではまだ10日もあるし、(2週連続開催だった)先週末とは違って慌てる必要はないよ」
「同時に、ルイスはいくらプレッシャーが強くても、目標さえあれば最高の仕事をするというのも事実だ。だから、私は最後の最後まで厳しい戦いが続くことになると確信しているよ」
そう述べたヴォルフは、次のような言葉で締めくくっている。
「終わった、と言えるようになるまではまだかなり時間がかかるよ」