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ニキ・ラウダ「ベッテルは危機的状態」

2016年10月04日(火)16:44 pm

メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、今年のF1第16戦マレーシアGP決勝でスタート直後に痛恨のクラッシュをおこしたフェラーリのセバスチャン・ベッテルはいまや「危機的状態」にあると語った。

先週末に行われたマレーシアGP決勝は、最前列からスタートしたメルセデスAMGのドライバー2人が不運に見舞われ、レッドブルが2013年以来の1-2フィニッシュを達成するという波乱の展開となった。

終始レースをリードしていたディフェンディングチャンピオンのルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だが、終盤にまさかのエンジントラブルが発生しノーポイントでレースを終えることになった。これにより、最終的に3位に入ったチームメートのニコ・ロズベルグがハミルトンとの差を23ポイントに広げ、初のF1タイトル獲得の可能性を高めている。

■マレーシアで2度クラッシュしたロズベルグ

そのロズベルグだが、セパン・インターナショナル・サーキットで行われたマレーシアGP決勝では、スタート直後のターン1でフェラーリのセバスチャン・ベッテルにクルマをぶつけられてコース上でスピンし、大きく順位を落としていた。

だが、その後順位を少しずつばん回していったロズベルグは、レース終盤にもう1台のフェラーリであるキミ・ライコネンの背後につけると強引に追い抜きをしかけた。このとき、ロズベルグとライコネンが接触し、ライコネンがはじかれるような形で順位をロズベルグに明け渡していた。

そして、この接触事故についてはロズベルグに非があるとして、レース中に10秒加算ペナルティーが科されていた。結局、ロズベルグはライコネンとの差を10秒以上に広げることができたため、なんとか3位表彰台を確保してレースを終えていた。

■ロズベルグへのペナルティーは「ばかげていた」とメルセデスAMG首脳

しかし、ラウダはレース後、あのロズベルグのペナルティーは「完全にばかげたものだった」とマレーシアでのF1競技委員による裁定を批判。

さらに、メルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)も、あのペナルティーは「まったく意味のないものだった」とコメントし、次のように付け加えた。

「2、3か月前に我々は100%どちらかが悪いことがはっきりしていない限り、ペナルティーなしで激しいレースをすることにしようと決めたばかりだった。それなのに、これだよ!」

■ベッテルのクラッシュは許されるものではなかった

だが、ラウダはそのロズベルグとライコネンのクラッシュは、1周目のターン1でロズベルグにぶつかったベッテルのクラッシュとはまったく別物だったと考えている。ラウダはベッテルのクラッシュは許されるものではないと次のように主張した。

「これは4度F1チャンピオンとなった者が犯すべきミスではなかったよ」

ベッテルはレース後にロズベルグに謝りにいったことが明らかとなっているが、9月30日に19歳になったばかりのF1最年少ドライバーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)ですら、ベッテルは「間抜け」だと痛烈に批判している。

■今のベッテルは危機的状況にある

フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、「私はセブ(ベッテルの愛称)が言うことを支持するし、あれはレーシングアクシデントだよ」とベッテルを擁護する発言を行っている。

しかし、現役時代には3度F1タイトルを獲得した伝説的元F1ドライバーでもあるラウダは、マレーシアGP決勝後にイタリアの『Corriere della Sera(コリエーレ・デラ・セラ)』に次のように語った。

「ベッテルは危機的状態だね。スパ(第13戦ベルギーGP)でフェルスタッペンが似たようなことをやったときには、彼はフェルスタッペンのことを狂人だと言っていた。ところが、今日は彼が同じことをやったんだからね」

レース後、ベッテルにはそのクラッシュを引き起こしたことにより2ポイントのペナルティーポイントが課されるとともに、次戦日本GPでの3グリッド降格が決定している。

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