元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、アメリカのリバティ・メディアがF1の新オーナーとなることを好意的に受け止めているようだ。
これまでは10年間にわたって投資会社CVCがF1オーナーの地位にあったが、そのオーナーとしての貢献度に関しては疑問の声も多く聞かれていた。
■リバティ・メディアの参画はリスクよりチャンスのほうが大きい
ドライバー引退後にはトロロッソの共同オーナーを務めていたこともあるベルガーは、母国オーストリアの『Servus TV(セアヴスTV)』に対し、今回のF1オーナーの交代を前向きに受け止めていると次のように語った。
「何かが起ころうとしているのはうれしいね。もう何年にもわたって(F1の)運営体制は硬直してしまっていたからね」
「私は、今回の買収はリスクよりもチャンスのほうが大きいと思っている。それが、この買収がF1のためによいことだと私が思う理由さ」
■F1のアメリカ戦略も変わってくるはず
さらに、ベルガーは今回F1を買収したのがアメリカのリバティ・メディアであるのもよいことだと次のように続けた。
「新オーナーは典型的なアメリカ企業だ。つまり、単純明快なんだ。だから、今後はもう終わりの見えない話し合いなどはなくなると思うよ」
「これまでと比べると、非常に異なる取り組み方が取られることになる」
「もちろん、これはF1がアメリカでの地位を確立するチャンスにもなる。アメリカという市場は巨大だからね。リバティはすごく大きなメディア専門集団だ。F1が彼らから学び、利益を得られることも多いと思うね」
「彼らはものすごく顧客本位だと信じている。それは今日の、そしてこれからのファンにとっていいことだよ」
■新旧リーダーによる建設的対話が望まれる
だが、今回のリバティ・メディアによるF1買収が明らかになって以来、早くも同社を率いるジョン・マローンや、その右腕としてF1新会長に就任するチェイス・キャリーと、長年にわたってF1最高責任者として君臨してきたバーニー・エクレストンの関係がぎくしゃくしていることが明るみに出つつある。
この件に関して質問されたベルガーは、両者が「建設的な対話」をしてくれることを望んでいると次のように語った。
「私としてはこれが権力闘争にまで発展しないことを期待しているよ。その影響を一番強く受けてしまうのがF1だからね」
「そうではなく、新旧のリーダーたちが道を見いだしてくれることが望まれるし、エクレストンには自分の知識とネットワークをシェアして欲しいと思う」とベルガーは結んでいる。