先週末に行われたF1シンガポールGP(第15戦)で最後尾グリッドから5位にまでばん回を果たしたセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)だが、本人はそれをあまり喜んではいないようだと伝えられている。
■ベッテルに元気がないとジャーナリスト
「正直なところ、あれほどのばん回を見せたものの、セブ(ベッテルの愛称)はまったく納得できていないようだ」
イタリアのベテランジャーナリストであるジョルジオ・テルッツィはそうコメントし、次のように付け加えている。
「なぜなのかは分からないが、彼は少し活気がないように見える」
昨年は3勝をあげ、今年はメルセデスAMGからF1タイトルを奪うとの目標を掲げていたフェラーリとベッテルだが、今季はここまで1勝もすることができず、ランキングもレッドブルに逆転されてしまっている。
最高のF1ドライバーと言われるフェルナンド・アロンソを擁しても5年間タイトルに手が届かなかったフェラーリだが、ベッテルも同じようにフェラーリで無冠のシーズンを何年も過ごすことになるのだろうか?
■フェラーリはイギリスにも拠点を設けるべき
かつてルノーのチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレは、フェラーリがこうした局面を打開したければイギリスにファクトリーを構えることが必要だと主張している。
「何年にもわたって言い続けてきたことがある。フェラーリは素晴らしいメーカーではあるが、技術的アンテナをイギリスに置くべきなんだ」
イタリア放送協会『RAI』にそう語ったブリアトーレは次のように続けた。
「私がルノーにいたとき、彼ら(フェラーリ)は12人のエンジニアを引き抜いて勝利したんだ。だから、私ならレッドブル、マクラーレン、そしてウィリアムズの中間地点にきれいなビルを建てるだろうね」
現在11のF1チームがあるが、このうち7チームがイギリスにファクトリーを置いている。イギリス籍F1チームであるマクラーレン、ウィリアムズ、マノーはもとより、ドイツ籍チームである最強メルセデスAMG、かつてF1タイトル4連覇を飾ったオーストリア籍のレッドブル、フランス籍のルノー、インド籍のフォース・インディアもすべてファクトリーはイギリスに置いている。アメリカに本拠を置くハースもイギリスにサテライト本部を構えており、イギリスに拠点を持っていないのは、イタリアのフェラーリとトロロッソ、そしてスイスのザウバーだけとなっている。