長期にわたって財政難にあえいでいたザウバーだが、今年7月にスイスのロングボウと呼ばれる投資家グループが新オーナーとなったことで危機的状況から脱却。今季はいまだに1ポイントも獲得できていない状態ながら、チームの雰囲気は確実によくなってきているようだ。
最近ではトロロッソを離脱した経験豊かなエンジニアであるセビ・プホラールを獲得したのに続き、フェラーリやハースでストラテジストを務めていたルース・バスコムを獲得するなどの組織強化も進められている。
■人材強化を歓迎するナッセ
「今ではチームに人材が集まりつつあるし、それはすごく前向きなことだよ」
今シーズン前半には資金不足で開発が進まないチームに対しほとんど忍耐を失いかけていたドライバーのフェリペ・ナッセは母国ブラジルの『UOL Esporte(ウニヴェルソ・オンライン・エスポルチ)』にそう語ると、次のように続けた。
「クルマの開発にとって重要なエリアに人材が増えつつある」
「彼らはすぐに僕たちのクルマや作業の仕方のいい点と悪い点を発見することができており、それが直接的な影響を及ぼしているんだ」
「来年に向けて、チームは特に技術部門の人材強化を図ろうとしている。今はそこにある程度の限界があるからね」
「年末には何人もの人材がチームに加わることになるよ」
■シンガポールGPが重要な分析チャンスに
そう語ったナッセは、とりわけ今シーズン序盤までトロロッソでマックス・フェルスタッペン(現レッドブル)の担当エンジニアを務めていたプホラールの加入をうれしく思っていると次のように続けた。
「僕は彼の仕事が好きなんだ。現時点では彼は僕たちがどのように取り組んでいるかということを見ている段階だ。だけど僕は彼の情報処理の仕方が好きだよ」
ナッセは、今週末にマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットで開催されるF1シンガポールGP(18日決勝)が、最近ザウバーのクルマに加えられた変更を試す上でのいい機会になるだろうと次のように締めくくった。
「僕たちの新しい空力パッケージすべてを投入する最初のサーキットだし、このクルマの開発を続ける価値があるのか、あるいはもう来年に集中したほうがよいのかということを分析することになる」