元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは、今週末に行われるF1シンガポールGP(18日決勝)では後輩ドライバーにあたるマックス・フェルスタッペン(レッドブル)に優勝のチャンスがあるはずだと考えている。
■昨年は謎の失速を喫したメルセデスAMG
今年も圧倒的な強さを誇っているチャンピオンチームのメルセデスAMGだが、昨年はナイトレースとして開催されているシンガポールGPでは謎の失速を喫し、2015年に予選で最前列を確保できなかった唯一のレースとなっていた。そして、決勝でも2台ともに表彰台を逃している。
そのシンガポールGPを迎えるにあたり、事実上のチーム代表であるトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は次のように語った。
「今ではその理由も理解できていると信じている。だが、その結論が正しかったと証明できるのはサーキットでのパフォーマンスだけだ」
■シンガポールではレッドブル有利か
そのヴォルフは、シンガポールGPの舞台となるマリーナ・ベイ・ストリート・サーキットの特性は、大きなダウンフォースを得るという設計理念に基づくクルマに合うだろうと語り、現在チーム別ランキング2番手につけているレッドブルのほうがこのサーキットでは力を発揮するのではないかと示唆している。
さらに、レッドブルはシンガポールに向けてさらに改良パーツを投入してくると見られており、マリーナ・ベイではメルセデスAMGとレッドブルの差がかなりきっ抗するか、場合によっては逆転してくるだろうと考えている者も少なくない。
フェルスタッペンと同じオランダ出身のドーンボスは『Ziggo Sport Totaal(ジッホ・スポルト・トタール)』に次のように語った。
「シンガポールはレッドブルにとっていいサーキットだ」
「あそこでは大きな空力効果とメカニカルグリップが必要となる。それはレッドブルのクルマが優れている部分だ」
「ルノーもシンガポールに改良エンジンを投入してくるし、それによってマックスはさらに15馬力の追加パワーが得られるし、1周あたりコンマ数秒の短縮が期待できる」
■フェルスタッペンの勝利を期待するドーンボス
そう述べたドーンボスは、次のように付け加えた。
「マックスは市街地サーキットが大好きなんだ。モナコではミスをしてしまったものの、昨年のシンガポールでは無線で(チームからチームメートのサインツに順位を譲るよう指示されたときに)「ノー!」と叫びながらものすごいレースをしてみせた。今年は表彰台の上で彼が「イエス!」と言えることを期待しているよ」