F1公式タイヤサプライヤーであるピレリのポール・ヘンベリー(モータースポーツ責任者)が、来シーズンのF1はルール変更により大きくスピードアップするだろうと語った。
■現時点のF1は面白くないとドライバーたち
2014年にハイブリッド方式のパワーユニットが導入され、合わせて空力面でも大きな制限が施されたことから、F1カーのラップタイムがかなり遅くなってしまっていた。それがF1からだいご味を奪い、結果としてファンや観客が減少するという傾向を引き起こしていた。
2010年から2013年まで4年連続でF1王座に就いたセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)は、「F1から少しばかりワクワクするようなものが失われたと思っている」と語っている。
マクラーレン・ホンダのフェルナンド・アロンソも、現在のF1カーは運転していて楽しくないと語ったことが報じられていた。
さらに、かつてマクラーレンやフェラーリで活躍した元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーもアルゼンチンのスポーツ紙『Ole(オレ)』に次のように語った。
「現時点で、唯一本当のモータースポーツはMotoGP(世界最高峰の二輪選手権)だよ」
「F1はスポーツとしてやっていくのか、ショーとしてやっていくのか、あるいは自動車産業の試験台としてやっていくのかを決めなくてはならないよ」
■2017年には本当のF1が復活するとヘンベリー
だが、2017年からはより車幅が広くなったシャシーに、これまでよりも大きなウイングと幅広タイヤが装着されることになっており、1周のラップタイムも劇的に向上すると考えられている。
ピレリのヘンベリーは、その差は「GP2からF1へ昇格するほどの違い」になるだろうと語っている。今季はかなりスピードアップが果たされているF1だが、2014年には下位カテゴリーのGP2とあまり変わらないと言う声も多かった。ヘンベリーに言わせれば、2017年には本当のF1の速さが復活するだろうというわけだ。
ヘンベリーはさらに、イタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に対し、2017年からはドライバー間の戦いもさらに激しさを増してくるだろうと次のように付け加えている。
「しばしば、こういう変更があるとドライバーによる違いが大きくなることがある。だが、彼らのほとんどがこれこそ自分たちが望んでいたものだと言うだろうと確信しているよ。これまでよりもさらに難しくなるからね」