F1タイトル獲得という目標を掲げて今シーズンに臨んだフェラーリだが、メルセデスAMGとの差を縮めることができていないばかりかレッドブルに2番手チームの地位さえ奪われてしまっている。
■後半戦に向けて新スペックパワーユニットを準備
こうした状況を受け、フェラーリがF1ベルギーGP(28日決勝)の舞台となるスパ・フランコルシャンに向けて送り出した便の中に新スペックのパワーユニットが含まれているようだと『Speedweek(スピードウィーク)』が伝えている。
だが、『Speedweek(スピードウィーク)』によれば、ベルギーGPではそれが使われる可能性は低く、実際に今季型車SF16-Hに搭載されるのは次戦のイタリアGP(9月4日決勝)からになりそうだという。
フェラーリではこの新スペックパワーユニットを開発するために、残されていた3枚のトークンを使用したとみられているが、まだ信頼性の不安が残るために、長いストレートのある高速サーキットとして知られるモンツァで行われる母国レースのイタリアGPまではそれを温存する計画のようだ。
■フェラーリの弱点はシャシー性能
フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、レッドブルに奪われたコンストラクターズランキング2番手の位置を取り戻すためにはパワーユニットの開発以外にもっと優先すべきことがあると『La Repubblica(レプブリカ)』に次のように語った。
「我々のクルマには主に2つの弱点がある。空力による効率性とメカニカルグリップだ」
かなり改善されてきたとは言え、パワーユニットに関しては、レッドブルが搭載するルノーよりはフェラーリのほうがまだ上回っていると考えられている。レッドブルにランキングを逆転された大きな理由は、シャシー性能にあるということだ。
■まだレッドブルを逆転することは可能
「我々は状況を大げさに考えているわけではない」
そう主張したアリバベーネは、次のように付け加えた。
「ブダペスト(第11戦ハンガリーGP)では我々のほうが彼ら(レッドブル)よりも速かった。だから、まだ彼らを追い抜くことはできる。スパでは差が開くのを抑制できるだろうし、状況を逆転したいと考えているよ」
■早急な問題解決が必須
フェラーリでは事実上2016年の戦いをあきらめ、今後は新ルールが導入される来季に向けた開発に全精力をつぎ込むことになるのではないかとの指摘に対し、アリバベーネは次のように語った。
「いや、フェラーリはあきらめないし、私が統率している限り決してそういうことはない」
「我々はすでに来年のクルマのことを考えているし、新ルールへの対応が遅れるようなことはない。だが、現時点では私の興味は今シーズンに向けられているよ」
そう語ったアリバベーネは、次のように締めくくった。
「我々はすべての問題を解決しなくてはならない。それもできる限り速やかにね」