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シート喪失危機のクビアト「シーズン後半は状況を好転させる」

2016年08月02日(火)18:52 pm

ダニール・クビアト(トロロッソ)が、まだこのままF1キャリアを終えるつもりはないと主張した。

昨年、フェラーリへ移籍したセバスチャン・ベッテルの後任としてトロロッソからレッドブルへ昇格したクビアトだったが、今季のF1第5戦スペインGPからマックス・フェルスタッペンと交代にまたトロロッソへと降格された。

■トロロッソ降格後不振が続くクビアト

その後、第7戦カナダ、第8戦ヨーロッパではチームメートのカルロス・サインツを上回ったものの、それ以外のレースではすべてチームメートに負けている。それもかなりの差をつけられての完敗だ。ポイントもトロロッソ降格後はわずかに2ポイントしか獲得できておらず、この間26ポイントを稼いだサインツとの差は歴然だ。

こうした結果を踏まえ、レッドブルでは来季はクビアトとの契約を延長しないことを決めたと報じられている。

先週末に行われたドイツGP予選でもサインツが13番手だったのに対し、クビアトは19番手と大きく差をつけられた。だが、決勝では4つ順位を上げ、サインツに続く15位でフィニッシュしている。

ドイツGP決勝を終えたクビアトは、母国ロシアのメディアに次のように語った。

「クルマの性能は最大限に引き出せたから、それはいいことだね」

「今回のような取り組み方を続けていかないとならないと思っている。うまくいったしね。シーズン後半には状況もかなり好転するはずだと思っているよ」

■誰にでも浮き沈みはある

ドイツGPの決勝を迎える前、クビアトがかつてのボスであるレッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーとグリッド上で会話を交わしている光景が目撃されていた。あるいは、ホーナーはクビアトを元気づけようとしていたのかもしれない。

「クリスチャンを含め、僕を知っている多くの人たちが、これまでの何週間では僕が自分自身を見失っているようだと見ているみたいだね」

そう語ったクビアトは、次のように付け加えた。

「だけど、そういう困難な時期というのは誰にでもあるものだし、昨日の僕もそうだったんだ」

予選後にはさすがに意気消沈していたクビアトだが、決勝で納得のいく走りができたことで少し自信を取り戻してきたようだ。そして、この夏休みを転機としてシーズン後半に前向きに臨もうという意識も生まれてきているのは確かだろう。

「僕はほかの誰よりも夏休みを必要としていると思うよ」とクビアトはほほ笑みを浮かべながら語った。

■批判もあるレッドブルのドライバー人事

ヘルムート・マルコが運営責任者となっているレッドブルの若手育成プログラムは、ときとして非情とも言えるドライバー人事を行うことで知られている。以前も若手のホープとして考えられていたセバスチャン・ブエミやハイメ・アルグエルスアリをクリスマス時期に解雇したことが大きな話題となったことがある。

さらに、2014年にはクビアトのチームメートだったジャン-エリック・ベルニュ(現フェラーリ開発ドライバー)も、クビアトよりもポイントを獲得していたにもかかわらずシートを失ってしまっていた。

■自分を育ててくれたのもレッドブル

2014年にトロロッソでデビューし、わずか1年でトップチームのレッドブルへ移籍するという順風満帆なF1キャリアを形成してきていたクビアトだが、マックス・フェルスタッペン(現レッドブル)やカルロス・サインツ(トロロッソ)といった強力な若手が登場したこともあり、一転してF1キャリアが閉ざされる危機を迎えている。

いろいろと批判も多いレッドブルのドライバー育成プログラムに関し、クビアトはプレッシャーがかなり大きいと認めつつ、次のように続けた。

「でも、そのプログラムによって僕が強いドライバーになることもできたんだ」

「今、僕はあまり強いとは言えない。2、3か月前に起きたことによってね。だけど、それは言い訳じゃないんだ。結局のところ、僕自身がこの状況の中でより強くなる必要があるということさ」

そう語ったクビアトは、次のように付け加えた。

「簡単なことではないけれど、そうするために全力を尽くさないとね」

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