昨年末にロータスを買収し、今年から再びフルワークスチームとして参戦を開始したルノーだが、シャシー開発の遅れから今季はここまでケビン・マグヌッセンが第4戦ロシアGPで獲得した6ポイントのみにとどまっている。
■ルノーのシートが人気銘柄に?
だが、今季ルノーのパワーユニットが大きく進歩を遂げたのは事実であり、シャシールールも大きく変わる来季にはルノーが大きく躍進する可能性も指摘されている。
そして、3強チームであるメルセデスAMG、レッドブル、フェラーリではすでに来季のドライバーラインアップが確定していることから、ルノーのシートに視線を向けているドライバーも少なくないと言われている。例えば、今季2度表彰台に上って再評価されているセルジオ・ペレス(フォース・インディア)や、チーム残留に黄信号がともっているとうわさされているウィリアムズのフェリペ・マッサなどの名前がうわさに上っている。
■候補は大勢いるとルノーのボス
そんな中、来季のドライバーラインアップに関して質問されたルノーのチーム代表フレデリク・ヴァスールは次のように語った。
「私には現在のF1ドライバーのうち70%の者が私の以前のチーム(ARTグランプリ/主にGP2シリーズで活躍)で走ったことがあるというアドバンテージがあるんだ。だから毎日のように彼らと話をしているよ」
「だが、同時にジョー(ジョリオン・パーマー)とケブ(ケビン・マグヌッセン)とも同じように毎日話をしている。違いは、彼らは自分たちの仕事に集中しなくてはならないということだ。(2017年のドライバーに関する)決定を行うのはまだかなり先のことだからね」
「9月前に決定を行うことなどないよ。それは確かだ」
■スポンサーもドライバー決定の重要要素
そう語ったヴァスールは、ドライバーを決定するにあたっては、どれだけのスポンサーマネーを持ち込めるかということも最終決定をするにあたって重要な要素となるのは確かだと認め、次のように付け加えた。
「我々は企業だからね。現時点では(ドライバーの)パフォーマンスにのみ目を向けている。だが、どこかの時点ではスポンサーのことも話すことになるよ。それが重要になるかもしれないね」
最近のメディア報道によれば、今季ルノーのドライバーを務めているマグヌッセンもパーマーも今季限りでシートを失うのではないかと見ている者が少なくないようだ。
■マグヌッセンは残留の可能性大?
だが、マグヌッセンの母国デンマークの『BT』紙は、現在マグヌッセンのスポンサーを務めているデンマークのファンションブランド「ジャック&ジョーンズ」が来季もチームのスポンサーを継続することになるようだと示唆している。
マグヌッセンのスポンサーエージェントを務めるトーマス・バドゥーラはこの件に関してコメントを行わなかったが、現在マグヌッセンとルノーが結んでいるスポンサー契約が変わることになるという話はまったくないと述べ、次のように付け加えた。
「現在のスポンサーも、そして今後スポンサーとなる可能性がある者も、2016年はその第一歩だと認識している」
こうした状況を踏まえれば、少なくともマグヌッセンに関しては来季もルノーに残留することになる可能性がかなり高いとも考えられそうだ。