フェラーリが突然テクニカルディレクターの離脱を発表し、波紋が広がっている。
ジェームス・アリソンはF1関係者の間でも高く評価されているエンジニアだが、開幕戦直前に急病で妻を亡くし、母国イギリスへ帰るためにチームを離脱するのではないかといううわさが出ていた。
F1第11戦ハンガリーGPではアリソンのうわさについて否定していたフェラーリだが、その3日後の24日(水)にアリソンのチーム離脱を発表した。
■フェラーリの態度をいぶかるベルガー
かつてフェラーリに所属したゲルハルト・ベルガーは、ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語っている。
「フェラーリは、うわさがでたらめであるかのように振る舞っていたのに、3日後にそれを認めた」
「彼らも知らなかったのか、それともウソをついていたのか。このどちらがひどいだろうかと考えることもできるね」
ドイツGP(31日決勝)でキミ・ライコネンは、アリソンを「尊敬している」と言っただけでコメントを避けた。
■「状況は正しい方向に向かいつつある」とベッテル
アリソンの後任を務めるマッティア・ビノットは、エンジンが専門のエンジニアだ。また、フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネもチーム代表のマウリツィオ・アリバベーネも昨年までF1の経験がなかった。
このような状況に不安はないかと聞かれたセバスチャン・ベッテルは、次のように答えた。
「そんなことはないよ。適切な人材がそろっていると思う」
ビノットは「経験豊富」であり、マルキオンネがチームにかかわり「厳しく叱咤激励」していることも歓迎だとベッテルは話し、次のように続けた。
「もちろん(アリソンの離脱は)大きな変化だ。明日の仕事に影響はないけれど、今後については当然影響がある。それは間違いないよ。でも、状況は正しい方向に向かいつつあると思う」
「マウリツィオ(アリバベーネ/チーム代表)についても同じだ。彼はF1に長い間かかわってきたから、仕事についてよく分かっていると思うし、ものすごくいい仕事をしていると思う」
「チームではみんなそう感じているよ。彼が僕たちのリーダーであり、チーム代表だ。彼と一緒にできることを僕たちはうれしく思っている」