世界的エナジー飲料メーカーであるレッドブルのディートリッヒ・マテシッツ総帥が、3日(日)に行われたF1オーストリアGP決勝のようなレースがもっと増えれば、F1にとってもっとプラスになるはずだと語った。
●【結果】F1オーストリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、ピット回数
オーストリアGP決勝では、8番グリッドからスタートしたレッドブルのマックス・フェルスタッペンが終盤にフェラーリのキミ・ライコネンからのプレッシャーを受けながらもそれをしのぎ、最終ラップに起きたメルセデスAMGの同士打ちの間に2位表彰台をゲットする活躍を見せた。
現在、レッドブル社は、レッドブル・レーシングとトロロッソという2つのF1チームを所有している。そして、先週末のオーストリアGPの舞台となったレッドブルリンクももちろん同社の所有になるものであり、F1への関与度合いは大手自動車メーカー系チームにもひけをとらないものだ。
だが、近年では特にヨーロッパ地域におけるF1人気が低迷してきており、2014年に復活したオーストリアGPに訪れる観客数も年々下降線をたどっていると言われている。
■これからもこういうレースが必要
レッドブルリンクの観客数に満足しているかと質問されたマテシッツは、『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように答えた。
「すでにF1の人気がそれほどではなくなっていることは分かっている」
「だが、我々に必要なのは今回のようなレースがもっと増えることだ。そうすればすぐに状況も変わるだろう」
「仮にフェラーリや我々がメルセデスAMGにさらにプレッシャーをかけることができれば、再び(F1に対する)興味も高まってくるはずだ」
■ルノーの改善には満足
2014年に現在のパワーユニットが導入されて以来不振にあえいでいたレッドブルは、昨年いったん長年のエンジンパートナーであったルノーとの決別を決定。だが、これに代わるほかのエンジン確保に失敗したレッドブルは、今年もルノーからパワーユニットの供給を受け、これに「タグ・ホイヤー」というブランド名をつけて戦っている。
だが、そのルノー製パワーユニットが今季は大きく改善され、レッドブルもいまやフェラーリと並ぶメルセデスAMG最大のライバルとなってきている。
「もちろん、我々はエンジンパートナー(ルノー)の進歩に満足しているよ」
そう語った72歳のマテシッツは、次のように付け加えた。
「日本GPあたりまでにさらに20馬力アップされることを期待している。それによってさらにコンマ2秒か3秒の改善が見られるはずだ」
さらに、ルノーのパワーユニットが今年になって飛躍的に改善された理由は何だと思うかと質問されたマテシッツは、「管理体制の変化が大きかったんだ」と答え、次のように付け加えた。
「再びレーサーたちが仕事に着手したことで、必要な責任と熱意が持ち込まれている。我々が2018年まで契約を延長したのはそれが理由だ。だが、すでに2017年には期待ができそうだよ」