フランス出身の元F1ドライバーであるフランク・モンタニーが、2016年のF1タイトルはニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)が獲得するだろうと語った。
■今年のロズベルグは昨年までとは違う
2006年にスーパーアグリから7レースF1に参戦した経歴を持つモンタニーは、母国フランスの『Le Point(ル・ポワン)』に「ニコは昨シーズンと今年では変わったと思う」と語り、次のように続けた。
「彼は、今ではプレッシャーにうまく対処できているように見える。モナコ(第6戦)とカナダ(第7戦)では2レース続けて安定感を欠いていたかもしれない。だが、バクー(第8戦ヨーロッパGP)に向けて彼はシミュレーターで貴重な作業を行っていた。今季の彼は成熟しているよ」
■テレビゲームでバクーに備えていたハミルトン
一方、ロズベルグのチームメートであり、ディフェンディングチャンピオンでもあるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)はバクーに到着した際、チームのファクトリーでシミュレーター作業を行うことはしなかったと語り、その理由を次のように説明していた。
「僕は数百ポンド(数万円)払ってプレイステーションで同じくらい勉強してきたよ」
モンタニーは、非常に難しいレイアウトだと言われていたバクー市街地コースでのレースに臨むにあたって、そうしたハミルトンの姿勢はあまりにも“お気楽過ぎた”と批判している。事実、ハミルトンは予選Q3でクラッシュを演じ、決勝ではエンジンモード設定の狂いを調整することにてこずらされていた。
■ハミルトンは自分を過信している
「彼(ハミルトン)は簡単にロズベルグに勝てると考えていたんだろうね」
そう語ったモンタニーは、次のように続けた。
「ハミルトンは以前にくらべてあまり努力をしていないみたいだ」
「バクーでは、彼はシミュレーターを使わず、自分の才能だけで乗り切ろうと考えていたようだ。だが、見ての通り、彼はミスを犯してしまったし、今ではプレッシャーを抱えることになった」
「ハミルトンはサーキット以外のことに心を奪われてしまっているし、F1に退屈しているようにさえ見える。それによって彼はダメージを受けるだろう」
コカイン使用が明るみに出たことで2015年にフォーミュラEのシートを失ったモンタニーは、次のように締めくくった。
「恐らくハミルトンのほうがロズベルグより速いだろう。だが、彼は懸命に取り組んでいないよ」