2012年F1ヨーロッパGPはスペインのバレンシア市街地コースで開催されていた。バレンシアでのレースはこの年が最後になる。
そのレース中、ルイス・ハミルトン(マクラーレン・メルセデス)に襲いかかったのはオンボードカメラ映像の主、パストール・マルドナード(ウィリアムズ・ルノー)だ。
事件は全57周のレースも残り2周となった55周目に起きた。2番手のハミルトンのタイヤが限界にきてしまい、まったくペースが上がらなくなった。キミ・ライコネン(ロータス・ルノー)に抜かれたハミルトンに、4番手のマルドナードが襲いかかる。しかしハミルトンも防御するが、映像で観てもわかるように、まったく加速時にマシンが左右に振られているほどグリップが無くなっている。そして裏ストレートで並ばれたハミルトンは、右の直角コーナーでイン側を守ろうとしてマルドナードを押し出すが、続く左の直角コーナーでは逆にマルドナードがハミルトンに体当たりして、ハミルトンを弾き飛ばしてリタイアさせてしまった。年間タイトルを追っていたハミルトンは3位の座と貴重なポイントを失ってしまう。
レース後、マルドナードは「ルイスがスペースを残してくれなかったんだ」と主張したが、20秒加算ペナルティが科せられ、結局12位となりポイントを失ってしまった。
■【動画】F1 Classic Onboard: Maldonado v Hamilton at the 2012 European Grand Prix(1:57)