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ジュール・ビアンキの遺族が提訴の理由を説明「事故は避けられた」

2016年05月28日(土)17:33 pm

2015年に死去したジュール・ビアンキの遺族が、訴訟を起こす理由を説明した。

●ジュール・ビアンキの遺族が事故の責任を問い提訴へ

ビアンキは、2014年10月に行われたF1日本GP決勝で雨の中コースアウト。ランオフエリアで作業中だった重機に激突して頭部に重傷を負い、意識が戻らないまま翌年7月に25歳で亡くなった。

この事故の責任を問い、F1を統括するFIA(国際自動車連盟)と、商業権者のFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)、ビアンキが所属していたマルシャ(現マノー)を相手に訴訟を起こすことをビアンキの遺族が26日(木)に発表した。

■ドライバーに責任があると結論づけた内部調査は受け入れられない

父のフィリップは、訴訟を起こす理由について、十分な「答え」を得られなかったからだと『Radio Monte Carlo(ラジオ・モンテカルロ)』に語っている。

「私たちは、過ちが起きたのだと認識するに至った」

「気が付いた人もいるだろう。(ルール)変更があったのだから」

ビアンキの事故を受け、コース上に重機が出て作業する場合は、大きな減速を義務付けるバーチャルセーフティカーが2015年から導入されている。

「しかし、スピードを出しすぎていたジュールに責任があるとしたFIAの内部調査には納得できない」

「私たちはこのまま生きてはいけない。この悲劇は私たち家族を打ちのめした。難しいコンディションだったのに、彼が悪かったと言われて、どうして受け入れられる?」

「あの事故は完全に避けられたものだ。だから、ほかの現役ドライバーのためにも、こうしたいと思った」

フィリップは、内部調査では不十分だと話している。

「例えば私が誰かを死に至らしめたら、友人による内部調査を立ち上げて、“私の責任ではなかった”と言うことなどできない。間違いを犯したら、その代償を支払うという正義が果たされるべきだ」

■訴訟は苦しみを長引かせるだけ

3度のF1王者で、安全性向上の草分け的存在でもあるジャッキー・スチュワートは、訴訟を起こすのは賢明ではないと『Times(タイムズ)』紙に話している。

「遺族にとっては非常に悲しいことだし、心からの同情しかない。しかし、訴訟を起こすのが進むべき道だとは思えない」

「遺族が味わう苦痛は、いっそう長引くだろう。痛みを消すことにはならない」

また、スチュワートはレースの危険性についても話している。

「リスクがあることは全ドライバーが分かっている。ピンポンではないんだ」

「例外的なアクシデントが起きる可能性は常にある。それを受け入れなければならない」

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