レッドブルは巨費を投じてエンジンも含めてテストできる高性能シミュレーターを導入した。
F1モナコGP(29日決勝)からルノーは新しいエンジンを投入し、これを搭載したレッドブルのダニエル・リカルドは、初日フリー走行でトップタイムを出した。
レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーは、「ルノーの約束したものがすべて実現している」とたたえている。
レッドブルは新型エンジンの性能をテスト前から把握していたとドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝えている。今年から新シミュレーターがレッドブルの本拠地ミルトンキーンズに導入されているからだ。
このシミュレーターは360度のスクリーンを備え、ドライバーが操作すると、別室のテストリグに載せたF1マシンが連動して動く。導入コストは3000万ユーロ(約37億円)に上るという。
■2017年に向けて大きな武器に
この設備は、車両規格やタイヤが変わる2017年に向けて大きな武器になると記事は伝える。エンジンやトランスミッション、タイヤも含めて、すべてがドライバーの操作と連動して動くため、実際のテスト走行と同様のデータを得られるからだ。
レッドブルのモータースポーツアドバイザーであるヘルムート・マルコは、「こうしたテストスタンドはヴィリー(ルノースポール本拠地)にもまだない」と話している。
メルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダも、レッドブルはこの分野で「一歩先を行っている」と認めている。
■ルノーとの契約延長、合意は間近
レッドブルとルノーは、来年に向けてエンジン供給契約の延長交渉を進めており、早くもモナコで合意に至る可能性もあると『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は伝える。
しかし、レッドブルはルノーにエンジン使用料として2800万ユーロ(約34億円)に上る高額を支払っていると言われており、値下げを求めている可能性もある。
ルノーのシリル・アビテブールは、「レッドブルはいつもながらタフな交渉相手だ。しかし、このまま続けたいという希望は双方に共通している」と話している。