前戦F1スペインGP(第5戦)は、メルセデスAMG勢が同士打ちで姿を消すという波乱の中、レッドブルに移籍したばかりの18歳のマックス・フェルスタッペンが優勝を飾るという驚きの結果となった。
だが、今週末のモナコGP決勝でも再びレッドブルが勝つ可能性が高いと考えている者が少なくないようだ。
レッドブルでは、モナコGPではダニエル・リカルドのほうだけにルノーの新スペックパワーユニットを搭載している。その改善されたパワーユニットの助けもあり、リカルドは木曜フリー走行2回目でメルセデスAMG勢を押さえて堂々のトップタイムを刻んでみせた。しかも、2番手につけたルイス・ハミルトンには0.606秒、3番手のニコ・ロズベルグには0.899秒もの差をつけている。
■予選でリカルドに勝てるか不安だとロズベルグ
メルセデスAMGでは通常、土曜日の予選にはフリー走行のときよりもさらにタイムを改善してくる。だが、ランキングリーダーのロズベルグは今年のモナコではそう簡単にリカルドの前に出るのは難しいかもしれないと考えている。
「コンマ6秒縮めてもまだ足りないんだ。彼らがこれほどまでに速いなんて、大きな驚きだよ」
そう語ったロズベルグは、次のように付け加えた。
「僕たちもクルマを改善することはできる。だけどそれで十分かどうかは分からないよ」
■レッドブルの速さは想定外だったとハミルトン
現F1チャンピオンであるハミルトンも同様の印象を受けているようだ。ハミルトンはスペインのテレビ局『Movistar(モビスター)』に次のように語った。
「ここではエンジンによる違いは大きくないし、彼ら(レッドブル)がいいクルマを持っていることは分かっていたよ」
「だけど、彼らがこれほどまでに速いと思っていたかと聞かれれば、ノーだと答えるしかないね」
■リカルドの優勝に賭けるとバトン
マクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンも、今週末のモナコで勝利を手にするのはリカルドだろうと考えている。
5ユーロを賭けるとしたら誰が勝つと思うかと尋ねられたバトンは、「ダニエル・リカルドだ」と答え、次のように続けた。
「メルセデスAMGのクルマはすごくいいよ。だけどレッドブルはそれに対抗できるし、このサーキットはパワーにはそれほど依存しないからね」
「彼ら(レッドブル)が今年2度目の勝利を手にする最高のチャンスだろうね」
■リカルドがポールを取るかもしれないとベッテル
一方、26日(木)に行われたフリー走行では2度もウォールにクルマをぶつけるなど、さんざんなモナコGP初日を迎えてしまったフェラーリのセバスチャン・ベッテルだが、それでもフェラーリが勝てないと決めつける理由はないと主張している。
だが、そのベッテルも2014年のチームメートであったリカルドが速いことは認め、次のように語った。
「彼らも予選では強いだろうと考えている。そしてここの場合、予選でうまくやれば優勝を半分手にしたに等しいからね」