今季のF1第5戦スペインGP決勝では、スタート直後にメルセデスAMGのルイス・ハミルトンとニコ・ロズベルグが同士打ちを演じて2台とも姿を消すという展開となった。
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■最強ライバル不在にもかかわらず優勝を逃したフェラーリ
メルセデスAMG最大のライバルだと目されてきたフェラーリにとっては絶好のチャンスが訪れたわけだが、最終的に優勝はレッドブルのマックス・フェルスタッペンにさらわれてしまった。
フェラーリは今季初めてキミ・ライコネンとセバスチャン・ベッテルの2人が表彰台に上る結果を残したものの、せっかくのチャンスを生かせなかったのは、予選でレッドブルの2台に前に出られていたことが大きいだろう。
フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、レース後、次のように語った。
「もちろん、レッドブルとマックス・フェルスタッペンにお祝いを述べたい」
「だが、私は表彰台を獲得できたのではなく、チャンスを失ったのだと考えている」
「我々のライバルであるメルセデスAMGがいなくなったのに、我々はそのチャンスを生かせなかったのだ」
■課題は予選でのスピードアップ
その原因について質問を受けたアリバベーネは、次のように説明している。
「我々の今の課題は、予選でソフトタイヤを履いたときに特定の温度条件のもとでは自分たちのクルマの能力をうまく引き出せないという謎の原因をつきとめ、解決することだ」
「技術的な理由に関してはすでに理解できていると思うし、数日の内には、ここバルセロナで行われるテストを通じて、その解決策を見つけ出したいと考えている」
■クルマの改善が必要だとフェラーリ会長
2016年シーズンは開幕から連勝することを目標に掲げていたマルキオンネ会長も、フェラーリには今後やるべき仕事がたくさんあると次のように主張した。
「重要なのは、我々が大きくクルマを改善する必要があるということだ」
「これから2つの難しいレースを迎えることになる。モナコ(29日決勝)とカナダ(6月12日決勝)だ。我々はすぐにクルマを改善しなくてはならない」
■まだタイトル獲得のチャンスもある
さらに、フェラーリがまだ今季のタイトルを狙える位置にいると思うかと質問されたマルキオンネは「ああ、もちろんさ」と答えると、スペインでメルセデスAMGの2人のドライバーがノーポイントに終わったことでそのチャンスが広がったと考えていると次のように続けた。
「これは助かるよ。以前はメルセデスAMGがそれで有利に立っていた。我々はオーストラリア(開幕戦)以後すべてのレースで問題を抱えていたからね」
「メルセデスAMGにああいうことが起こったのは気の毒に思うが、あれによって我々には今後に向けて落ち着きを取り戻すことができる」とマルキオンネは付け加えた。
スペインGP前には、ランキングトップのロズベルグと3番手につけていたライコネンの差は57ポイントに広がっていた。しかし、今回メルセデスAMG勢がノーポイントに終わったことで、ライコネンがロズベルグとの差を39ポイントに縮め、ランキングも2番手に浮上。ベッテルはロズベルグから52ポイント差の4番手につけている。