マクラーレン最高権威のロン・デニスは、F1のエンジンメーカーにカスタマーチームへの供給義務を課す新ルールを受け入れないと警告している。
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エンジン供給に関する2017年以降のルールは4月末にようやく合意に達し、その内容が正式に発表された。
■供給チームの少ないメーカーに義務が発生
新しいルールには、エンジン供給を得られないチームが現れた場合は、FIA(国際自動車連盟)が供給チームの最も少ないメーカーを割り当てるという条項がある。これは、昨年末にレッドブルがどのメーカーとも供給契約を結べない状況に陥ったことを踏まえたものだ。
『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』によると、デニスはこの部分の合法性に疑問を呈しているという。ホンダとマクラーレンが結んでいる独占供給契約と矛盾するからだ。
最近のストラテジーグループの会議で、レッドブルのチーム代表クリスチャン・ホーナーに向かって、デニスは次のように言ったという。
「君たちがホンダのエンジンを手にすることは絶対にない」
「そのくらいなら、新ルールに関してFIAに対する訴訟を起こす」
■エンジンメーカーに対する批判は禁止
また、新ルールには、あるチーム代表が皮肉を込めて「レッドブル条項」と呼ぶ規定もある。
これは、昨年、ルノーエンジンの改良が進まないことにいらだったレッドブル陣営がルノーを声高に批判したことから作られたものだ。
カスタマーチームは、自身のエンジンサプライヤーに関して「虚偽の内容や誤解を与える内容、評価を落としたり否定的イメージを与えたりする内容のコメント」をしてはならないとルールには書かれているという。