デンマークのタブロイド紙『BT』が、ルノーは間もなく2016年型F1カーの開発を完全にストップしてしまうだろうと報じた。
昨年末に正式にロータスの買収を決めたルノーだが、すでにメルセデスパワーユニット搭載用に設計されていた2016年型車に急きょルノーパワーユニットを搭載するための改良を施して今シーズンになんとか間に合わせていた。
そうした事情もあり、ルノーでは2017年以降を見据えた開発プログラムを展開していくつもりであり、今年については移行期としてとらえているに過ぎないと言われている。
■スペインでは空力改善パーツを投入するとルノー
ルノーF1チームのマネジングディレクターを務めるシリル・アビテブールは、F1中国GPが開催された先週末の上海で次のように語った。
「現時点では小さな空力改良パーツを用意するつもりだし、特にスペインGP(第5戦/5月15日決勝)では大きな改善を図るつもりだ」
「だが、我々は現在、2016年と2017年のクルマに関する決定を行おうとしているところだ。まだ2016年にどれほどの改善を行うことにするかは決めていない。だが、今年行う改善は2017年に向けても役にたつはずだ」
■チームにとっても難しい判断に
とはいえ、ルノーでは今季3戦を終えた時点でいまだに1ポイントも獲得することができていない。2016年シーズンは早めにあきらめ、全精力を2017年型車の開発につぎ込むほうがいいとの考えが出てきても当然だと言えるだろう。
「正直に言えば」とアビテブールは続けた。「チーム内にもこれに関してはいろんな意見があるんだ。現在のクルマの開発を続けることにも意味がないわけではないからね」
「パフォーマンスを改善することもできるはずだし、そうすれば今季の順位ももっと上位で終えることができるだろう」
現在の参戦契約においては、シーズンの順位によってF1収益金の分配額が決められることになる。つまり、チームとしての収益を考えれば、2016年シーズンに関してもひとつでも上の順位を目指したいところだ。
■2週間以内に開発停止決定の可能性
「だが、2017年には空力のルールが大きく変更されるし、我々としてもいつから新車のほうに集中すべきかを決断する必要がある。今後2週間以内にはその決断を行わなくてはならない」
そう述べたアビテブールは、次のように付け加えた。
「もしその決断が行われれば、2016年型車の開発は事実上ストップされることになるだろうね」