ハースF1にとって真の戦いは今後の開発競争だとロマン・グロージャン(ハースF1)が語っている。
グロージャンは、今季F1に参入したばかりのハースF1で、2戦連続で入賞するという快挙を成し遂げ、現在ドライバーズ選手権でフェラーリのドライバー2人の間の5番手につけている。
■ハースF1のあり方には批判も
しかし、パワーユニットを供給するフェラーリやシャシーメーカーのダラーラからハースF1が多大な協力を得ていることは、問題にもなっている。
ウィリアムズの最高技術責任者パット・シモンズは、「F1が進むべき道なのかどうか分からない」と批判的だ。
ハースF1のチーム代表ギュンター・シュタイナーは、ブラジルの『Globo(グローボ)』にこう話す。
「われわれはレギュレーションを一言残らず読み込んだ上で、可能なものすべてをフェラーリから得た」
「それを元にわれわれのエンジニアがクルマを設計し、モノコックを含め多くのパーツの製造をダラーラに依頼した」
「われわれのように小規模な場合、それがF1を始められる現在唯一のモデルだ」
「近年、すべて自前でやろうとした者たちは、やってきてあっという間に消え去った」
■F1の開発速度についていけるかが課題
ハースF1のベースが良いことは明らかだが、次の課題は、実績あるマクラーレン、ルノー、トロロッソなどの前にとどまれるかどうかだとグロージャンは話す。
「そういうチームは進歩するし、開発に投資する」
「僕たちにとって良かったのは、ベースが素晴らしいことだ。大規模チームほどしっかりした体制はないし、新パーツを生み出す速度や能力でもかなわない。でも、僕たちにだってクルマを開発していく計画がある。控えめなものではあるけれどね」
ハースF1の目標は、F1最高責任者バーニー・エクレストン率いるFOM(フォーミュラ・ワン・マネージメント)と分配金に関する契約を結ぶことだとシュタイナーは話している。
「ミスター・エクレストンを説得して、FOMから(分配金を)受け取るチームにわれわれを入れてもらわなければならない」