フェラーリでは先週末のF1バーレーンGPでセバスチャン・ベッテルのパワーユニットに発生した問題はすぐに解決できると考えているようだ。
【動画】ベッテル、フォーメーションラップでリタイア スタート直後には波乱
■フェラーリの信頼性に疑問符
フェラーリは、今季の開幕戦オーストラリアGP決勝ではキミ・ライコネンのターボに問題が発生しリタイア。そしてバーレーンではフォーメーションラップ中にベッテルのクルマが白煙を上げ、スタートを切ることさえできなかった。
こうしたことから、フェラーリの2016年型車SF16-Hが搭載するパワーユニットは大きな信頼性の問題を抱えているのではないかとの憶測がささやかれ始めている。
かつて3度F1王者に輝いた伝説的元F1ドライバーであるジャッキー・スチュワートは、ブラジルの『Globo(グローボ)』に対して先週次のように語っていた。
「メルセデスAMGとの差を縮めることが必要なだけに、パフォーマンスをもっと改善できる方法を模索することになる。そして、時には信頼性の問題が発生するかもしれないというリスクを取ることもある」
「それがF1でのやり方なんだ」
■フェラーリでは必死の対応
イタリアの『Tuttosport(トゥットスポルト)』は、オーストラリアとバーレーンで立て続けに信頼性の問題が発生したことで、マラネロにあるフェラーリ本部では非常ベルが鳴り響いていると伝えている。
チーム代表のマウリツィオ・アリバベーネはすでに、スタッフたちは「土曜日も日曜日も返上で」中国GP(17日決勝)までに問題の修復に努めることになると語っていた。
■さらに強くなるための布石だと前会長
だが、フェラーリの前会長であるルカ・ディ・モンテゼモーロは、フェラーリにとって明るい面もあると『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』次のように語っている。
「2列目グリッドでエンジンが壊れるほうが、8列目にいてエンジンが壊れないよりもいいことだ」
「1996年のことを思い出すよ。あの年はマニ・クール(フランスGP/第9戦)のパレードラップでミハエル・シューマッハのエンジンが壊れてしまった。だが、その後我々はスパ(ベルギーGP/第13戦)とモンツァ(イタリアGP/第14戦)で勝利を収めた」
「F1では常にやるべき仕事がたくさんあるものだ。だが、あの日曜日(バーレーンGP決勝)は、あの年(1996年)と同じことが起こる前兆であったことを願っているよ」とモンテゼモーロは付け加えた。
■インジェクターの再設計に取り組むフェラーリ
一方、フェラーリ専門ジャーナリストとして知られるレオ・トゥッリーニは、『Quotidiano(クオティディアーノ)』の自身のブログに、フェラーリが調査を行った結果バーレーンでベッテルのパワーユニットに起こった問題はインジェクター(燃料噴射装置)に起因するものだったことが判明し、これから再設計が行われることになると書いている。
「マラネロでは、彼ら(フェラーリ)はこの状況を改善することができると信じている」とトゥッリーニは付け加えている。