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混迷するF1 悪いのは誰?

2016年04月04日(月)18:24 pm

最近、F1が混迷状態にあることが浮き彫りになっている。

【無料動画】F1バーレーンGP予選シーン

その印象を強めることになったのが、今季から導入された新予選方式だ。

F1開幕戦オーストラリアGPで昨年までとは違う新たな予選方式が導入されたものの、盛り上がりに欠ける大失敗に終わっていた。そして、全チームの首脳陣がそれを撤廃して昨年までの方式に戻すことで合意したと報じられていた。

■バーレーンでも継続された不評の新予選方式

ところが、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は単純に昨年までの方式に戻すことを認めず、Q1とQ2は新方式としQ3だけを以前の形に戻すことを提案。だが、この案に関していくつかのチームが反対したことで、結局先週末の第2戦バーレーンGPでも開幕戦と全く同じ方式で予選が行われた。

そして、やはり開幕戦同様に予選セッションは盛り上がりに欠けるものとなり、観客やテレビ視聴者はコース上にクルマがいない状況で時間だけが経過していくという状況を再び経験することになった。

こうした状況に対し、フェラーリのセバスチャン・ベッテルは「おしっこが近い人以外にとってはいいことじゃないね」と皮肉をこめたコメントを行っている。

バーレーンでの予選では、ウィリアムズが少なくとも観客にF1マシンが走行しているところを見せようと、あまり意味もなくクルマをコース上に送り出すという光景も見られた。

これに関し、メルセデスAMGの実質的チーム代表であるトト・ヴォルフは次のように語った。

「ウィリアムズが出ていったが、彼ら自身がそうする意味があると思っていたのかどうか私には分からない。もちろん、我々はそんなことはしなかったよ。あれはひどかったね」

■いまだに出口が見えない予選問題

F1関係者の間には、今回の予選方式変更という大失敗によりさらに有害な政治的論争が引き起こされており、それがF1に大きなダメージを与えようとしていると考えている者が少なくない。

前述のFIAによる予選方式修正案については4チームが反対したと伝えられている。だが、ヴォルフは、仮に中国GP(17日決勝)までにまた話し合いに決着がつかず、また同じ予選方式が継続されるようなことになれば、反対者たちには「はりつけ」の刑を与えるべきだと強い口調で語っていた。

だが、バーレーンGP決勝が行われた3日(日)にF1関係者たちが集まって再度話し合いを行ったものの、結局そこでも合意に至ることはなかった。結局、また7日(木)に関係者による協議が行われることになったが、そこで決着が見られるかどうかはいまだ不明だ。

■現在のF1を憂うドライバーたち

フェラーリのキミ・ライコネンは、現在のこうした状況について次のように語った。

「F1では政治的な動きやでたらめばかりが横行しているし、ときどきおかしなことになる。外側の人たちは僕たちを見て『なんておろかな人たちだろう。彼らはいったい何をやっているんだ?』と考えるに違いないよ」

最近、F1ドライバーたちによる任意団体であるGPDA(グランプリ・ドライバーズ・アソシエーション)がF1の運営体制に関して公開状を出して疑問を投げかけていた。だが、F1最高責任者のバーニー・エクレストンは、GPDAの会長を務めるアレックス・ブルツがF1チームたちと結託して政治的動きに出たのだと非難している。

これに対し、GPDAの理事を務めるベッテルは、次のような反論を行った。

「僕たちは政治的な動きをしているわけじゃない」

「それ(公開状)にはアレックスと僕、そしてジェンソン(バトン/マクラーレン)が署名している。だけど、それはすべてのドライバーの意見が集約されたものなんだ」

■2020年までは現行体制は変わらないとFIA会長

ドライバーたちは、現在のF1運営体制が道を踏み外しているという不満を抱えている。だが、FIA会長のジャン・トッドは、少なくとも2020年までは現在の運営体制が変わることはないだろうと次のように語った。

「三者がすべて変更することに合意できれば、運営方式を明日にでも変えることができるだろう」

「だが、私にはそんなことが起こるとは思えない。だから現在の協定が満了する2020年までは、我々は現在の位置にとどまり続けるだろう」

あるF1チーム代表は、『Sunday Times(サンデー・タイムズ)』に次のように語っている。

「すごく不満が募っているよ。(FIAの)会長は行動に移すことを恐れてばかりだし、バーニー(エクレストン)はすべて思いつきで行動するだけで、何も機能していないんだからね」

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