往年の名F1ドライバーであり、現役時代には3度F1チャンピオンに輝いたジャッキー・スチュワートは、現在のF1もそれほど悪いものではないと考えている。
スチュワートは、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に次のように主張した。
■今のF1にもいいところはたくさんある
「誰もが悪いところにだけ目を向けている」
「力の差が大き過ぎ、あまりバトルが見られないのは確かだ。だが、このスポーツがまだ十分に魅力的だと言える理由もたくさんある」
76歳となるスチュワートだが、現在もF1とのかかわりを持っている。スチュワートは現在F1の公式計時メーカーとなっているロレックスのアンバサダーを務めており、F1最高責任者のバーニー・エクレストンにロレックスを紹介したのもスチュワートだったという。
「私はロレックスと1968年に初めて契約を結んだんだ。そして今でもまだ彼らと一緒にやっている」
「4年前に、彼ら(ロレックス)がシリーズ全体を支援したいと提案したんだ。それは彼らにとっても最高の選択だった」
■若いファンは新しいものを受け入れる
現在のF1が危機的状況にあると言う声もあるが、スチュワートはそんなことはないと次のように主張した。
「現在、いくつかの問題があるかもしれない。同じようなことはミハエル・シューマッハが圧倒的に強かったときにもあったよ。だが、このスポーツはそれでも健全なままだ」
スチュワートはさらに、現在のF1は技術的にもルール的にもあまりにも複雑になり過ぎているという意見もあるが、それについても別の視点から見ることができると次のように続けた。
「我々の世代の者たちは『複雑過ぎるから以前のシステムに戻すべきだ』と言っている。だが、子供たちはすぐにそれを理解するだろう。我々は常に過去との比較を行うが、彼らは新しいものとしてそれを受け入れるよ」
「ひとつだけ言うことができる。もうすぐ、国際的に名の知れた大企業がF1のグローバルスポンサーに加わることになるよ。もし彼らもこのスポーツが衰退しているという意見の持ち主だったら、彼らはそんな決断はしなかっただろうね」とスチュワートは付け加えた。