2016年F1開幕戦オーストラリアGPで導入された新予選方式には批判も多かったものの、結局今週末のバーレーンGP(4月3日決勝)でも、その「いす取りゲーム方式」とも呼ばれる新方式がそのまま継続されることになっている。
■Q3だけを旧方式に戻す案を諮っていたFIA
オーストラリアでの予選終了後には、全チームの首脳がその新方式を撤廃し、第2戦バーレーンからは昨年の形に戻すことで全員の意見が一致したと伝えられていた。
だが、ルール変更を行うにはF1委員会の承認が必要となるが、ここでF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、Q1とQ2は新予選方式をそのまま継続し、Q3だけを昨年までと同じ形に戻すという妥協案的修正案を諮ったと伝えられている。
結局、そのFIA案が全員一致での賛成を得られなかったことにより、バーレーンでも現行ルールブックに記載されている新方式予選がそのまま継続されることになったものだ。
そして、そのQ3の方式だけを修正するという案に反対したのが、マクラーレンとレッドブルだったことが明らかとなった。
■ほかの案を考える時間もなかったとF1ボス
これに関し、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンは、マクラーレンではあくまでも2015年まで行われていたやり方に戻すよう望んでおり、FIAが代替案として示したQ3だけを修正するという「ごまかし」を受け入れるつもりはなかったようだとスペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「ほかの解決策を考えるための時間もなかったし、FIAとしてはオーストラリアで行われたシステムを維持するしかなかったのだ」
■F1は分別を持てとベッテル
そもそも、今回オーストラリアで導入された新予選方式に関しては、最初から疑問の声が上がっていた。当初からこの予選方式に批判的だったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは次のように語った。
「なぜみんなが驚いているのか分からないよ。僕たちは誰もがそういうふうになるだろうと言っていたし、実際にそうなったということなのにね」
「こういうことには責任が伴うものだよ。僕たちのうち多くの者が批判的だったことを単に試してみて、そしてやっぱりあれは間違っていたなんて言うのはおかしいよ。分別を持って、正しい変更が行われるようにしないとね」とベッテルは付け加えた。
いずれにせよ、ファンはもとより多くのF1関係者が新予選方式は失敗だったと認識しているにもかかわらず、結局その方式がバーレーンでも継続されるのは間違いのない事実だ。
フランスの『L’Equipe(レキップ)』は、今回の予選騒動を「壮大な冗談」だと言い表している。