マクラーレン・レーシングのCEOとしてF1の舞台に戻ってくることが決まっているヨースト・カピートが、今後フォルクスワーゲンがF1に参入する可能性もあると語った。
フォルクスワーゲンのモータースポーツ責任者としてWRC(世界ラリー選手権)プログラムを率いてきたカピートは、『Bild am Sonntag(ビルト・アム・ゾンターク)』に次のように語った。
「フォルクスワーゲンのような会社では、常にF1参戦が話題に上るものさ」
■F1にはWRCに学ぶことも多い
今後フォルクスワーゲンの後任体制が整い次第マクラーレンでの活動を開始することになっているカピートは、ラリーから離れることにさびしい気持ちもあると認めつつ、次のように続けた。
「F1も学ぶところが多いと思っているよ」
「昨年、私はマレーシアにF1を見に行ったんだ。そこからの帰りの便で2人のF1ドライバーとすれ違ったので、手短にお祝いの言葉をかけたんだ。ところが、彼らはそれを無視したよ」
「ラリードライバーの中には、そういう横柄な態度をとる者など1人もいないね」
■アロンソともうまくやる自信はあるとカピート
ともあれ、フォルクスワーゲンで後任者が決定次第、カピートは、F1ドライバーの中でももっとも扱いが難しいとも言われるフェルナンド・アロンソのボスとして働き始めることになる。
そのことに不安はないかと質問されたカピートは、ほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「私はかつてザウバーでジャン・アレジと1年間一緒に仕事をしたことがあるんだ。そこで何とかやっていくことができたんだから、どんなことにだって対応できるさ!」
■フォルクスワーゲンのF1進出もありえる
カピートはさらに、フォルクスワーゲンにディーゼル排出ガス不正スキャンダルが起こったにもかかわらず、そのラリープログラムは何とかそれを乗り越えることができたと語り、今後F1進出の可能性すら否定できないと次のように続けた。
「あとはタイミングの問題だね」
「現時点では、今それを行っても意味がないという理由がいくつもある。だが、そういう状況は変化する可能性もある」
「F1では長期間にわたって安定したビジネス体系を築くことが必要だ。特に長期的な技術レギュレーションへの対応においてね。もしF1に出ようと思えば巨額の投資が必要になる。だから、その計画に対する安全策が必要となるんだ」
そう語ったカピートは、次のように付け加えた。
「そして、現時点では新規参入者にとってそういうものはないからね」