19日(土)に行われた2016年F1開幕戦オーストラリアGPの予選では、トロロッソのマックス・フェルスタッペンがメルセデスAMG勢とフェラーリ勢に次ぐ5番手を確保。チームメートのカルロス・サインツもウィリアムズのフェリペ・マッサをはさんで7番手につける活躍を見せた。
【結果】F1オーストラリアGP決勝の順位、タイム差、周回数、獲得ポイント
【結果】F1オーストラリアGP予選の順位、Q1-Q2-Q3のタイム
■オーストラリアGP予選でレッドブルに勝ったトロロッソ
開幕前、サインツは今年表彰台を狙うことは無理だと語り、兄弟チームであるレッドブルや、メルセデスパワーユニットを搭載するウィリアムズのほうが実力的にはかなり上だと発言していた。
ところが、ふたを開けてみれば、トロロッソ勢が兄貴分のレッドブルよりも予選で上位につけ、そのスピードを見せつける形となった。
決勝では、赤旗中断の影響などもあり、サインツが9位、フェルスタッペンが10位で終わったものの、フェルスタッペンはメルセデスAMGとフェラーリを除けば、自分たちがベストだと語るほどの自信を見せている。
サインツも母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「そう、僕たちがその位置にいるのは事実だ」
「これは驚きだし、僕もすごくうれしく思っている。チーム全員が頑張ってくれたおかげだし、彼らを称賛しないとね」
■確かにトロロッソのほうが速いとマルコ
レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコも、オーストリアの『Kleine Zeitung(クライネ・ツァイトゥング)』紙に対し、「ああ、その通りだ。彼らのフェラーリエンジンのほうが(レッドブルが搭載するルノーより)もっとパワーがある」と語り、次のように付け加えた。
「シミュレーションによればコンマ8秒近い差がある。特に予選ではね。レースになれば、それほどの差ではないがね」
しかし、サインツは、こうした状況はそれほど長くは続かないだろうとも考えている。なぜならば、今年トロロッソが搭載しているのはフェラーリの2015年仕様パワーユニットであり、もう今シーズン中にその開発が進められることはないからだ。
■緊張感を増すサインツとフェルスタッペン
一方、オーストラリアGP決勝後にはトロロッソのチームメート同士の間に緊張感が走ったと伝えられている。
レース終盤にサインツの後ろにつかえてしまったフェルスタッペンは、無線を通じてサインツに自分を前に出させろとチームにどなるとともに、ついにはコーナーでサインツのリアに接触してしまうという一幕も演じていた。そしてレース後にはフェルスタッペンがチームやチームメートに対する不満を口にしていた。
だが、フェルスタッペンより3歳年上のサインツは、メルボルンで母国スペインのメディアに対して次のように語った。
「マックスがすごく文句を言ってるって? 僕にどうしろって言うんだい?」
だが、元F1ドライバーのロバート・ドーンボスは、今後2人のライバル関係は激しさを増す一方だろうと『Ziggo Sport Totaal(ジッホ・スポルト・トタール)』に次のように語った。
「ヘルムート・マルコが彼ら2人にプレッシャーをかけているからね。彼らはレッドブルのひとつのシートを争うことになるんだ」