今年バルセロナで2回にわたって合計8日間で行われた公式F1シーズン前テストでは、フェラーリが好調ぶりを発揮。今年もメルセデスAMGの天下は揺るがないだろうと見る者が多いものの、そのライバルとしてフェラーリがどこまで食らいついていくことができるかにも注目が集まりそうだ。
そして、そのメルセデスAMGも、今年はフェラーリが昨年よりも確実に差を縮めてきていると考えている。
■今年のギャップはコンマ2秒だとニキ・ラウダ
メルセデスAMGの非常勤会長を務めるニキ・ラウダは、イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「過去2年間には我々が速かったが、だからと言ってメルセデスが非難される筋合いはない」
「我々の目標は、それを継続することだ。だが、差は縮まってきていると思う。昨年、我々はフェラーリに対して0.6秒勝っていた。だが、今シーズンは彼らがより接近してきている。我々との差は、0.2秒ほどにまで縮まっているかもしれない。だから、何が起こっても不思議ではないよ」
■いや、コンマ1秒かもしれないとヴォルフ
チームのビジネス部門エグゼクティブディレクターであるトト・ヴォルフも、オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語った。
「フェラーリは確実に進歩を果たしたね」
「2014年から2015年にかけても彼らは本当にうまく開発を行ったが、今年も同じようにそれを続けている」
「まだ我々のほうが有利だとしても、昨年と同じようなレベルではないよ。0.2秒とか0.3秒の差になるだろう。ひょっとすると0.1秒しかないかもしれない」
ヴォルフはさらにドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』にも次のように語っている。
「フェラーリはすごくよさそうだ。テストでも彼らが本当に興味深い周回を行ったのを目にしたし、それは彼らがいいペースで走ることができると示すものだ」
■今年はフェラーリの優勝も増えるとロズベルグ
今季はチームメートのルイス・ハミルトンからF1タイトルを奪い取ることが目標となるニコ・ロズベルグだが、フェラーリにその足をすくわれないように注意する必要もありそうだ。
「フェラーリは本当に改善してきた。彼らはさらにメルボルン(開幕戦オーストラリアGP/20日決勝)にも改良パーツを持ち込むはずだと考えているよ。彼らとは本当の戦いを演じることになるだろう」
母国ドイツの『Bild(ビルト)』にそう語ったロズベルグは、昨年3勝をあげたフェラーリが今年は何勝くらいすると思うかと尋ねられると次のように答えた。
「かなり勝つだろうね。彼らは強いよ。本当に強い」