2016年のF1カレンダーで現在唯一暫定扱いとなっているアメリカGPだが、その開催実現に一歩前進が見られたと伝えられている。
オースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で2012年から開催されてきたアメリカGPは、ファンやドライバーからの人気も高いことで知られている。だが、収益的には厳しい状況が続いてきており、レース主催者であるボビー・エプスタインは2015年のF1開催権料も未納であることを明らかにしていた。
さらに、これまで年間に2,500万ドル(現在のレートで約28億3,000円)の補助金を支出してきていたテキサス州当局が、これを2,000万ドル(同22億6,000万円)以下に減額することを決定。このままでは今年のレース開催が不可能となってしまう状況を迎えていた。
だが、F1最高責任者のバーニー・エクレストンは先週末『Forbes(フォーブス)』に対し次のように語った。
「今年、オースティンは行われると思うよ」
「エプスタインが自信を見せている。彼はどこで資金を工面できるかが分かったんだ」
なぜ、エプスタインやエクレストンが開催実現に対して前向きな展望を持つに至ったのか、その理由が1日(火)に明らかになったと伝えられている。
オースティンのローカル紙である『Austin American Statesman(オースティン・アメリカン・ステーツマン)』が報じたところによれば、COTAが地元当局との間でこれまで1億8,000万ドル(約200億円)とされていたF1イベントの課税評価額を引き下げることで合意に達したという。
その記事は、これによってCOTAではおよそ1,300万ドル(約14億7,000万円)が減税されることになると見積もっている。
COTAは声明の中で次のように語っている。
「サーキット・オブ・ジ・アメリカズは本件が解決に至ったことをうれしく思っている。そして地域社会に貢献するメンバーとして、明るい未来が開けることを楽しみにしている」