F1では、今季から新たな予選フォーマットを導入すると発表していたが、場合によってはこの案が撤廃される可能性もありそうだ。
■導入が遅れる新予選方式
先週開催されたF1委員会において、今年から予選Q1からQ3の各セッションで90秒ごとにその時点でもっともタイムの遅いドライバーがノックアウトされるという新方式を導入することが決定された。
この、いわゆる「いす取りゲーム方式」とも揶揄(やゆ)される新方式に関しては、賛否両論さまざまな意見が巻き起こっている。
だが、そんな中、F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、今年のシーズン序盤にはこの方式を実施するのは無理だと『Independent(インデペンデント)』紙に語ったことが報じられていた。シーズン開幕戦のF1オーストラリアGP(3月20日決勝)まであと3週間しかない中、テレビ中継やネット中継に対応できるよう、新方式に合わせてプログラムを修正する時間がとても足りないというのがその理由だ。
エクレストンは、ソフトウエアの準備が整うのは、早くても第5戦のスペインGP(5月15日決勝)あたりになるだろうと語っている。
■もっとよく議論すべきだとフェラーリのボス
その間に、この新予選方式について、もっとよく議論すべきだと主張するのは、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネだ。
アリバベーネは、イタリアの『La Stampa(スタンパ)』に次のように語った。
「私の意見だが、それ(新予選方式)が本当にエンターテインメント性を増すことになるのか、あるいは大失敗に終わるだけなのか、もっとよく理解する必要があると思うよ」
エクレストンは、元来F1レースの面白さを増すために、予選で速いタイムを刻んだドライバーや、前回のレースで優勝するなどしたドライバーのグリッド位置を下げ、後方からスタートさせることを提案していた。
■廃案に持ち込みたいF1ボス
エクレストンは、「いす取りゲーム方式予選」は、そうした提案に対する妥協案として採択されたものに過ぎないと語っていたが、今回、F1ビジネス記者として知られるクリスチャン・シルトを通じて『Forbes(フォーブス)』に次のように語った。
「発表された(予選方式)変更が撤回されるかどうか、様子を見よう」