ルノーF1のチーム代表を務めるフレデリク・ヴァスールが、ワークスチームとして復帰した1年目の目標を語った。
ロータスを買収してワークスチームにすることをルノーが決めたのは昨年末のことだ。そのため、メルセデスエンジンを搭載する予定で設計されたマシンを変更して、最初のシーズン前テストに参加した。
■1回目のテスト参加が最初の目標だった
ヴァスールは、フランスの『L'Equipe(レキップ)』紙のインタビューで次のように説明している。
「ロータスからプロジェクトを引き継いだ時期が遅かった」
「エンストン(チーム本拠地)での最初のミーティングでわれわれが決めた第一の目標は、このテストに参加することだった」
「シャシーをルノーエンジンに対応させなければならなかった。上から下まですべてやり直すわけではないが、かけ離れてもいない」
■シーズン途中で2017年に重点を移す可能性も
2016年シーズンの目標を、ヴァスールはこう語った。
「われわれに短期的な目標はない」
「今年は7位で終える、8位で終えるといったことは言わない」
「しかし、楽な道を選んで、“われわれは移行期にあり、1年かけてオフィスを塗り替え、2017年にどうなるか見てみる”などと言うつもりもない」
「それでは気持ちの面で良い影響はないだろう」
「エンストンはレースチームであり、最後の100分の1秒まで絞りだそうというスピリットを失ってはならない」
「シーズン中に、もっと成功できるクルマを導入する予定があるか?
「まずは、メルボルン(開幕戦/3月20日決勝)で自分たちの位置を見てみる。その後、2017年のレギュレーションがどうなるか明確なイメージをつかむ」
「だが、たとえ重点を2017年に切り替えるとしても、私は2016年を最後まで戦い抜きたい」
■ルノーの姿勢を評価するヴァスール
ルノーから成功までに時間的余裕を与えられていることをヴァスールは評価している。
「F1ではかなり珍しいことだが、これは中期的プロジェクトであり、その利点は計り知れない。カルロス・ゴーンは、われわれに3年後と5年後の目標を設定している。ぜいたくなことだ」
■元ルノーのアロンソも時間がかかると予想
かつてルノーで2度チャンピオンを獲得したフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)も、成功までには時間がかかると見ている。
「ルノーが復帰したのは勝つためだ。でも、最近のF1では、時間もお金も運も少し必要なんだ」
「マクラーレン・ホンダと同じだ。名前や過去だけでは成功できない。でも、彼ら(ルノー)が戻ってきてうれしいよ」とアロンソは語っている。