1回目のF1シーズン前テストを終えて、2016年の勢力図をドライバーはどう予想しているのだろうか。
■「勢力図は変わっていない」とクビアト
「冬を越えても、勢力図はあまり変わっていないというのが僕の印象だ」とレッドブルのダニール・クビアトは話している。
2年連続チャンピオンのメルセデスAMGは、2人のドライバーを半日交代にしなければならないほどの走行距離を重ね、その信頼性の高さには驚きの声が上がっている。
対して、メルセデスAMGを追う勢力の先頭と見られているフェラーリは、3日目と4日目にトラブルに見舞われて、半日近く走行できずに終わった。
メルセデスAMGの仕上がりを懸念しているかと聞かれたフェラーリのキミ・ライコネンは、次のように話す。
「どうして心配しなきゃらない?」
「僕たちが関心を持っているのは、自分たちのしていることであって、ほかのチームじゃない。もちろん、もっと周回を重ねたかったけれど、それもテストだ」
■2強に絡みたいウィリアムズ、レッドブル、フォース・インディア
ウィリアムズのフェリペ・マッサは、メルセデスAMGとフェラーリの差が縮まり、そこに複数のチームが絡むと予想。『Globo(グローボ)』に次のように話している。
「メルセデスAMGとフェラーリについては、すごく大きな戦いになるだろう」
「そこに、僕たちとレッドブル、フォース・インディアが加わると僕は思うね」
4日間のF1テストのうち、3日目にトップタイムを出したのはフォース・インディアで、そのタイムから実力を評価する声が上がっている。
■ハースF1は「サプライズ」
フェラーリのBチームとも見られているアメリカのハースF1は、新規参入ながら手堅い走行を見せ、好印象を残した。
「ハースはサプライズだよ」とバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)はフィンランドのテレビ局『MTV』に話している。
F1参戦以来ずっと最後尾だったマノーも、今年からメルセデスエンジンになり、特にパスカル・ヴェアラインは中団チームに引けを取らないタイムを出していた。
マクラーレン・ホンダは1回目のテストではトラブルもあったが、その逆襲には注目が集まっている。
■「F1は常にこうだった」とプロスト
今年もメルセデスAMGが独走すればファンのF1離れを引き起こすのではないかという懸念もあるが、4度のF1王者であるアラン・プロストは次のように語る。
「退屈とは一切関係がない」
「各チーム、各メーカーは、同じ位置からスタートしている。ただ、メルセデスAMGは最高の仕事をした。単純にそれだけのことだ」
「F1は常にこうだった」
「新しいレギュレーションにほかの誰よりも適応したチームがあるからといって、すべてに疑問を持ち始めたらきりがない。差を縮めるために、とにかく努力するしかない、それだけだ」