スペインのバルセロナで始まった今年最初のF1公式シーズン前テストだが、2日目の23日(火)にはF1公式タイヤサプライヤーであるピレリが今年から投入することになっているウルトラソフトタイヤが初めてその性能の片りんを見せた。
■昨年のポールタイムを2秒近く更新
とりわけ、フェラーリのセバスチャン・ベッテルが紫の識別色が施されたウルトラソフトでマークしたトップタイム1分22秒810は注目に値するものだった。2015年にメルセデスAMGのニコ・ロズベルグがバルセロナで行われたF1スペインGP予選で刻んだポールポジションタイムをなんと2秒近くも短縮したのだ。
やはりウルトラソフトタイヤで、ベッテルからはコンマ7秒ほどの差で2番手タイムを刻んだレッドブルのダニエル・リカルドもその新しいタイヤを気に入ったようだ。
リカルドはフィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』に次のように語った。
「グリップが高いし、特性が異なるね」
「楽しそうなタイヤだよ」
■それでも今のF1は遅い
今年から導入されるウルトラソフトによって、F1カーのラップタイムが昨年よりも向上することは間違いなさそうだ。だが、それでも現在のF1のスピードは物足りないと考えている者も少なくない。
ルノーF1時代に2005年から2年連続でF1チャンピオンとなったフェルナンド・アロンソ(現マクラーレン・ホンダ)もその一人だ。
アロンソは23日のテスト走行後に、母国スペインの『El Pais(パイス)』に対して次のように語った。
「今のF1は概して以前よりかなり遅くなっている」
「僕は1分26秒台だったけれど、数年前ならインストレーションラップで出せていたタイムだよ」
23日のテスト走行では11台中9番手のタイムに終わったアロンソは、次のように付け加えた。
「だけど、オーストラリア(開幕戦/3月20日決勝)でのレースが始まれば、アドレナリンによってもう少し速くなると思うよ」