スペインのバルセロナで始まった今年最初のF1公式シーズン前テスト初日の22日(月)にトップタイムを刻んだのは、フェラーリのセバスチャン・ベッテルだった。そしてその後ろ2番手につけたのがメルセデスAMGのルイス・ハミルトンだった。
フェラーリでは会長のセルジオ・マルキオンネが、今年のF1タイトルを狙いに行くと公言しているが、まずは幸先のよいスタートを切ることができたと言えそうだ。
■フェラーリが直接のライバルだとメルセデスAMG
今季、F1タイトル3連覇を狙うメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(ビジネス担当エグゼクティブディレクター)は、バルセロナテスト初日を終えて次のように語った。
「彼ら(フェラーリ)は自分たちの能力に自信を持っているし、ジェームス・アリソン(フェラーリ/最高技術責任者)は優れたエンジニアだ」
「フェラーリが我々の直接のライバルになるだろうと思っているよ」
昨年トロロッソからデビューしたカルロス・サインツも、今年は赤色(フェラーリ)対銀色(メルセデスAMG)の戦いとなるだろうと母国スペインの『AS』に次のように語った。
「メルセデスAMGとフェラーリだけが別次元って感じだね。僕の意見だけど、レッドブルやウィリアムズとの差は大きいよ」
■絶対的な信頼性が強みのメルセデスAMG
だが、もちろんメルセデスAMGとしても簡単にフェラーリに負けるつもりはない。初日のタイムこそ2番手だったものの、ルイス・ハミルトンはなんと156周もの走行を行ってみせた。これは優に2レース分の距離を走ってみせたことになり、メルセデスAMGが今年も驚異的な信頼性と安定性を実現したことを示すものだ。
ハミルトンも、「初日にこんなクルマに乗ったことはなかったよ」とほほ笑みを浮かべた。
そのハミルトンは、バルセロナテスト初日にベッテルにトップタイムを刻まれてしまったことについて、次のように語った。
「彼らは速そうだね。だけど、今日僕たちはセットアップやタイムの改善を目指してはいなかったんだ」
事実、メルセデスAMGでは火曜日(23日)か水曜日(24日)には一見してこれまでとは違うことが分かる改良型ノーズとフロントウイングを装着するだろうとのうわさが強くささやかれている。
ヴォルフも、「初めてそれらを見たときには驚かされたよ」と、これを認める発言をしており、メルセデスAMGが本当の実力を見せつけるのは、これからだということをほのめかしている。