今週、F1の将来に関する重要な会議が開かれることになっている。
現在、22日(月)からスペインのバルセロナで始まった今年最初のF1公式シーズン前テストに大きな注目が集まっているところだ。だが、F1の主要関係者たちはすぐにスイスのジュネーブへ向かい、そこで2017年以降に適用されることになる新たなルールに関する話し合いを行うことになる。
■クライアントエンジン計画を捨てるべきでないとホーナー
以前、F1最高責任者バーニー・エクレストンと、F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長は、独立系エンジンメーカーによる「クライアントエンジン」を導入するという計画を推し進めようとしていた。だが、現在のエンジンメーカーたちが一定の譲歩案を提示したことで、その案は事実上廃案になったものと考えられている。
しかし、レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対して次のように主張した。
「FIAは、クライアントエンジンを武器としてたずさえ続けるべきだよ」
エクレストンは最近、現在の自動車メーカー系チームたちは「カルテル」を組んでいると批判していたが、ホーナーも次のように続けた。
「彼らは自分たちで、誰がどのエンジンを手に入れられるかを決めたいと思っているんだ」
「チームは、具体的にどういうスペックのエンジンを得られるのかが分からないまま、3年間の契約を結ぶしかないんだからね」
■ワークスチームと同じエンジンは与えられない
レッドブルのチーフデザイナーを務めるロブ・マーシャルも、現在のF1では自動車メーカーがあまりにも力を持ちすぎていると『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「ファクトリーチームと同じエンジンの供給を受けることができるという顧客チームの話を聞いている。それは我々のことではないよ。恐らくハードウエアについては、それは事実かもしれない」
「だが、違いは手で触れられるものではないんだ。それはエレクトロニクスに関するもの、つまりソフトウエアさ。いくつかのボタンを操作するだけで、まったく異なるパフォーマンスを発揮するんだ」
■F1全体の利益を優先すべきだとニューイ
当初、2017年からはF1カーのスピードを現在よりもかなり向上させようという計画だった。だが、それについても現時点では宙に浮いている状況であり、今後の話し合いの中でなんらかの妥協点を見いだすことになるものと考えられている。
ホーナーは次のように続けた。
「(その会議で)どうなるのかは、まったく不透明だ。だが、活気に満ちた日になるはずだよ」
一方、ニューイは『Speedweek(スピードウィーク)』に対し、「なんらかの合意に達することを期待している」と語り、次のように付け加えた。
「私の意見だが、最も危険なことは、チームが全体的な利益ではなく、自分たちの利益を優先して決定してしまうことだ。このスポーツのために今必要なのは強力な連合組織だよ」