女性ドライバーのカルメン・ホルダが、ロータスの元育成ドライバーが自分に関して行ったコメントに激しく反論した。
■ホルダはシミュレーターで自分より12秒遅かったとソレンセン
エンストンに拠点を置くロータスの育成ドライバーで、何度かテストにも参加したことにあったデンマーク出身のマルコ・ソレンセンだが、自分がチームと決別した理由は女性ドライバーのホルダがひいきされる状況に嫌気がさしたためだったと主張した。
確かに、GP3シリーズでもさしたる実績を残せていなかったホルダがロータスの開発ドライバーに就任したときには、それはチームが彼女に広告塔的役割を期待したものだと考えられていた。
だが、そのホルダがロータスを買収した新ルノーF1においても、これまで同様に開発ドライバーを務めることが明らかとなっていた。
ソレンセンは母国デンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラデ)』に対し、次のように語っていた。
「彼女(ホルダ)はシミュレーターでは僕より12秒も遅かったんだ」
■根拠のない中傷だとホルダ
これに対し、ホルダは母国スペインの『Marca(マルカ)』に次のように反論した。
「理解できないわ。だって、私は彼とあそこ(ロータス)で会ったこともないのよ」
「私はチームの公式ドライバーたちと一緒にシミュレーターで訓練していたのよ。グロージャン(ロマン・グロージャン)とマルドナード(パストール・マルドナード)、それにパーマー(ジョリオン・パーマー)ともね」
「私は何度も彼らとは1秒以内の差だったわ。だから、彼(ソレンセン)が何を根拠にそんなことを言っているのか分からないの」
■自分を選んだのはルノー
ソレンセンは、ホルダが自分のF1キャリアを妨害したのだとも語っていたが、27歳のホルダはそれに対しても次のような反論を展開した。
「私は誰のポジションを奪ったりしていないわ。私は自分の仕事をしているだけだし、彼ではなく私を選んだのはルノーだったのよ。ほかの大勢のひとたちと同様にね」
「12秒遅かったということだけど、誰だってシミュレーターでそれほどの差がつくことがないのは知っているわ。プロのドライバーがどうすればそんなことになるのか想像してみてよ」
■ソレンセンの言うことが事実ならどのチームも採用するはず
ホルダは、スペインの日刊スポーツ紙である『AS』に対しても次のように語った。
「正直に言って、私は彼(ソレンセン)がどんな人なのか知らないの。彼とはエンストンで一度も顔を合わせたことがないし、昨年、彼はチームの一員ではなかったわ」
さらに、ソレンセンがホルダは自分よりもシミュレーターで12秒も遅かったと発言したことについても、次のように続けた。
「私はグロージャンから1秒かそれ以内の差だったわ。だから、誰かさんはロマンより11秒も速かったということよね。きっとすべてのF1チームが彼を欲しがると思うわ」
「彼は、自分のキャリアに集中してもらいたいものだわ。自分たちの実績を示すために、私とか、ほかの人をだしにするのは正しいやり方じゃないもの」
■ホルダの今後に注目だとソレンセン
一方、ホルダが行った反論についてどう思うかとデンマークのタブロイド紙『BT』から質問された25歳のソレンセンは、次のように答えている。
「もし、カルメン・ホルダが自分がF1にいるにふさわしいと感じているのなら、このスポーツで生き残ることができるだろう。彼女がどういう結果を出すのかに注目するしかないね。そうすればみんなも才能があるのは誰なのか、ないのは誰なのかということが分かるはずだからね」