3日(水)にパリで行われたルノーの2016年F1体制発表イベントで、今季のドライバーとして正式に紹介されたケビン・マグヌッセンだが、本人もまだ実感がわかないといった風情だった。
少し前からうわさがささやかれていたものの、ルノーは体制発表に向けてギリギリのタイミングで前ロータスドライバーのパストール・マルドナードとの契約を破棄。そして、新生ルノーのレーシングディレクターに就任したフレデリク・ヴァスールはマルドナードの後任としてマグヌッセンを起用したのは「当然の選択」だったと説明した。
■ここにいることが驚き
昨年まで所属していたマクラーレンを離脱し、2016年にはDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)かWEC(世界耐久選手権)に移籍するか、あるいはどこかのF1チームに控えドライバーのポジションを求めることになるのではないかと言われていたマグヌッセンは、今回のルノー加入について『Marca(マルカ)』に次のように語った。
「うらでどんなことが起きていたのか、あまり詳しくは知らないんだ。だけど今ここにこうしているのは驚きだよ。すごくうれしい驚きさ!」
2014年にマクラーレンからF1デビューを飾ったものの、フェルナンド・アロンソの加入により再び控えドライバーに降格となっていたマグヌッセンだが、まだ伸び盛りの23歳だ。
■過度の期待は禁物
しかし、マグヌッセンは、経営破たん寸前まで行っていたロータスをベースとする新生ルノーF1に対してはあまり過度の期待を抱かないようにしていると次のように続けた。
「オーストラリア(開幕戦/3月20日決勝)の土曜日(予選)にどの位置にいるかを予想するのは難しいよ」
「とにかく、バルセロナ(22日から始まるシーズン前テスト)へ行って、今持てるものを最大限に生かせるように取り組むしかないし、そうすれば何をすべきかも見えてくると思う」
■F1チャンピオンを目指せる場所
だが、マグヌッセンは自分が最高のチームに加わることができたことは分かっていると母国デンマークのテレビ局『TV2』に次のように語った。
「F1には、すべて自分たちで製造しているチームは3つしかないんだ。フェラーリとメルセデスAMG、そしてルノーがそれに加わった」
「だけど、まずは本当にゼロからのスタートだよ。彼ら(ルノー)は新しいファクトリーを引き継いでいるところだし、エンジンに関しては何年も走らせてきたとはいえ、問題も抱えていたし、まだ望むようなところにまで到達できていないかもしれないんだからね」
2014年にマクラーレンからF1デビューを飾ったものの、2015年は再び控えドライバーとして1年を過ごしていたマグヌッセンは、次のように付け加えた。
「だけど、ここは僕がF1チャンピオンになれるところだし、そのことが重要なんだ」