フィアット・クライスラーの最高経営責任者であり、フェラーリの会長も兼務するセルジオ・マルキオンネが、今季トロロッソにアルファロメオのブランド名を施したエンジンを搭載したいと望んでいたようだ。
2015年には、レッドブルの“エンジン危機”問題が大きく取り上げられたが、結局レッドブルでは2016年もルノーからパワーユニットの供給を受けることで決着。ただし、そのルノーエンジンは「タグ・ホイヤー」というブランド名で呼ばれることになっている。
そして、世界的エナジー飲料メーカーのレッドブルが所有するもうひとつのチーム、トロロッソでは、ルノーに代わってフェラーリから2015年スペックエンジンの供給を受けることで決定している。
だが、ドイツの『Auto Bild Motorsport(アウト・ビルト・モートアシュポルト)』は、当初マルキオンネはトロロッソに対し、アルファロメオとブランド契約を結ぶことを提案していたと報じている。
マルキオンネが昨年12月にアルファロメオのF1復活を示唆する発言を行ったことが大きな話題となったが、それ以前からアルファロメオという名前をF1に復活させるための計画が進められていたということになる。
だが、このマルキオンネの計画はうまく進まなかったようだ。
あるレッドブル関係者はそれがうまくいかなかったのは“金の問題”だったとし、マルキオンネが3,000万ユーロ(約39億円)を要求していたと次のように語ったという。
「マルキオンネはトロロッソかレッドブルに新エンジンの初期開発コストを負担させようとしたんだ」
伝えられるところによれば、レッドブルはその申し出を断って「プランB」を選択したという。つまり、ジュニアチームであるトロロッソでは2015年仕様エンジンの供給を受けられればそれで十分だという判断をしたということだ。