勝ちたいベッテルとフェラーリ、テストへ精力的に準備
フェラーリのセバスチャン・ベッテルは、年間21レースが予定され、長丁場となる2016年シーズンに向けて順調な準備を進めているようだ。
■精力的に準備を進めるベッテル
フェラーリの2016年型車がお目見えするのはもう少し先の話になりそうだが、ベッテルは今年に入ってすでに旧型車を使って2度のテスト走行を行っている。
現時点では、ほとんどのF1ドライバーたちは2016年シーズン開幕に向けてトレーニングや新車開発の支援作業などに従事している状況だが、ベッテルはフェラーリが所有するイタリアのフィオラノ・サーキットで、最近2度にわたって2014年型フェラーリF1カーを使って実走テストを行っていた。
さらに、ベッテルは26日（火）に行われたピレリ（F1公式タイヤサプライヤー）のウエットタイヤテストにも登場。人工的にウエット状態とされたフランスのポール・リカール・サーキットで2015年型車による走行を行うなど、精力的に2016年シーズンに向けての準備を進めている。
フランスでフェラーリの2016年型車について質問を受けたベッテルは、次のように答えた。
「これから組み立てを始めるところだよ。どんなクルマになりそうかは分かっているけれど、まだひとつに組み合わされたところは見ていないんだ」
そう語ったベッテルは、クリスマスを家族と共に過ごしてリラックスしていたこともあり、これから1kgか2kgの減量を行うことも必要だと認めている。
■誰もが勝利を目指すフェラーリ
このシーズンオフの間、フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが2016年にはメルセデスAMGからタイトルを奪い取ることを目標に掲げると宣言したことが報じられていた。
ベッテルも、それを達成するために喜んで頑張ると次のように続けた。
「勝ちたいというのは僕たちが生まれながらに持っている性分だからね」
「僕たちは大きなチームだけど、もし従業員全員にひとりずつ質問したとしたら、ほとんどの人間が勝ちたいと言うと思うよ」
そう語ったベッテルだが、今季のタイトル獲得というのは非常に難しい目標であることも確かだと次のように続けた。
「僕たちはこれがすごく野心的な目標だということは分かっている」
「昨年もまだメルセデスAMGとの差がかなり大きかったことを忘れたわけではないからね。今年は、冬の間に僕たちがどういう仕事を行うことができたか、そして最初のテストでいいスタートが切れるかどうかということにかかってくるだろうね」
■必ずしも開幕戦勝利にこだわる必要はない
マルキオンネ会長は、今年は開幕戦のオーストラリアGP（3月20日決勝）ですぐに勝利を飾ることが必要だと主張している。だが、ベッテルのほうは慎重な姿勢を崩していない。
「オーストラリアは、全部で21あるレースのうちのひとつなんだ」
そう語ったベッテルは、次のように付け加えた。
「もしそこで勝てたら素晴らしいよ。もしそうできなくても、可能な限り多くのポイントを取りたい。シーズンはすごく長いんだからね」
