このほどマクラーレンの新CEO(最高経営責任者)に就任することが明らかとなったヨースト・カピートだが、実際にマクラーレンでの業務を開始するのは4月か5月になりそうだとうわさされている。
■着任日は未定
フォルクスワーゲンのモータースポーツ責任者であり、ラリーチームのリーダーとして2016年のWRC(世界ラリー選手権)開幕戦(21~24日)が行われるモンテカルロに姿を現したカピートは次のように語った。
「(着任の)日付は決まっていないんだ」
「フォルクスワーゲンの体制がすべて整い、代わりの人物が見つかるまでは、私は(マクラーレンには)行かないよ」
■ラリーに未練もある
カピートはさらに、スペインの『AS』に対し、自分がマクラーレンからのオファーを受けたのは、フォルクスワーゲンが排出ガス不正スキャンダルを起こしたこととは無関係だと次のように主張した。
「もちろん、そうではない。実際のところ、現在の状況によって抜けづらくなっているんだ」
「これまでの3年間と同じレベルで戦えるだけの十分な予算があるし、唯一の傷も、我々の競技に直接の影響を及ぼすことはない」
「ラリーから離れるのがさびしいんだ。素晴らしい、自由な雰囲気を持つスポーツだし、多くの友人たちもいるからね。F1は違うよ。もっと閉ざされた世界だ」
■楽しみなのはアロンソとの仕事
そのカピートが楽しみにしているのは、最高レベルのF1ドライバーだと評価も高いフェルナンド・アロンソと一緒に仕事をすることだという。
「アロンソはすごく力があるし、チームをトップに復活させるために頑張っている。彼と仕事ができるのはうれしいよ」
「ラリーにおいても、そういうカリスマ的なドライバーたちと仕事をするのは難しいものさ。だから問題はないよ」
■カピート引き抜きを決めたのはロン・デニス
さらに、大きな注目を集めることとなった今回の移籍に関してカピートは次のように説明を行っている。
「マクラーレンとフェラーリは非常に高い名声を得たチームだ。F1ばかりでなくモータースポーツ全体においてね。だから、自分としても断ることなどできなかったよ」
「ロン・デニス(マクラーレン最高権威)のことは(ミカ)ハッキネンと一緒にポルシェカップをやっていたころから知っているし、今回も彼(デニス)が私の採用を決めたんだ。マクラーレンがトップに返り咲くための手伝いをしたいと思っているよ」
■ホンダとの協業にも不安なし
カピートは、ホンダと一緒に仕事をすることにも不安などは感じていないと次のように主張している。
「私がザウバーにいたころにはヤマハの人たちと仕事をしていたが、違うということはなかったよ」
そう述べたカピートは、次のように付け加えた。
「彼らが異なるやり方で物事に取り組むことに慣れる必要があるだけさ」