悲惨なシーズンを送ったことは、チームにとっては実際には「いいこと」だった。そう主張するのは、マクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエだ。
昨年、23年ぶりに伝説的F1コンストラクターであるマクラーレン・ホンダが復活した。だが、その初年度は予想以上のスランプに陥り、最終的には全10チーム中9位で2015年シーズンを終えていた。
ブーリエも、それはチームにとって本当に屈辱的なことだったと13日(水)に『Sun(サン)』に次のように語っている。
「マクラーレンは大物チームだし、ホンダも大会社だ。どちらも素晴らしい歴史を作り上げてきた」
「人々からの信頼や信用を保ち、高い士気を持ち続けるのは難しい仕事だ。だが、我々は、未来を築くために多くのことを成し遂げた」
「ある意味では、マクラーレンにとっては悪い結果がよいことにつながるとも言えるだろう。屈辱的だったが、奇妙なことに、会社の雰囲気は極めていい状態なんだ」
「みんながこの結果に喜んでいるなどと言っているわけではない。誰もが不満を抱えていたよ。だが、雰囲気や、みんなの取り組み方や理解は非常に素晴らしかった」
そう述べたブーリエは、次のように付け加えた。
「システムが崩壊するか、あるいは全員でばん回するかだ。私はマクラーレン内部にはばん回しようという一致した考えがあったと思っている」
ところで、F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは1月末にフランスのポール・リカールでウエットタイヤのテストを行うことになっている。興味深いことに、そのテスト参加チームとしてピレリが発表したのはフェラーリ、レッドブル、そしてマクラーレン・ホンダだった。
2年連続でF1チャンピオンチームとなったメルセデスAMGがそのテストに参加しないことを奇異に受け止めた者も少なくないだろう。だが、メルセデスAMGの広報担当者はフランスのテレビ局『Canal Plus(カナル・プリュ)』に対して次のように語った。
「ほかのチームがその作業を行うことをうれしく思っている。これによって、我々は自分たちの(2016年仕様)クルマの設計に専念できるからね」