今季、ハースでドライブすることになっているロマン・グロージャンが、自分はフランス人やスイス人だと言うよりも、ヨーロッパ人と呼ぶほうがふさわしいように感じていると語った。
F1ではフランス人ドライバーとして登録されているグロージャンだが、実際にはスイスのジュネーブ生まれであり、現在もフランスとスイス両国の国籍を有している。
今は家族とともにスイスで生活しているグロージャンは、フランスのテレビ局『France 2(フランス2)』に対してほほ笑みを浮かべながら次のように語った。
「僕はジュネーブ生まれなんだけど、フランス人ドライバーだという感じのほうが強いんだ。このスポーツでの歩みはすべてフランスで達成してきたからね。だけど、山の空気は大好きさ」
「自分ではフランス人だ、スイス人だというより、ヨーロッパ人って感じがしているよ」
かつてルノーF1でF1デビューを飾り、その後チームがロータスへと変わってもずっとエンストンに拠点を構える同じチームに所属していたグロージャン。結局ロータスがルノーに買い戻され、今年から再びルノーのフルワークスチームがグリッドに並ぶことになったものの、グロージャンは今年からF1参戦を開始するハースへの移籍を決めていた。
F1ドライバーの中には税金対策としてスイスやモナコに居住する者も少なくないと言われている。
この件について質問を受けたグロージャンは、ソクラテスの「われはアテネ人にあらず、ギリシャ人にあらずして世界市民なり」という言葉を引用しながら、「これからアメリカのチームでレースをすることになるから、こういう問題に関してもまた別の見方ができると思うんだ」と語り、次のように付け加えた。
「僕たちはF1で世界中を旅するし、偏見にとらわれない考え方もできるよ」