2014年にマクラーレンに所属したケビン・マグヌッセンが、確約されていたシートを年末に突然失ったことを明らかにした。
マクラーレンには、新たにフェルナンド・アロンソの加入が決まっており、2014年のシーズン末はマグヌッセンとチームメートのジェンソン・バトンのどちらが残留するのかに注目が集まっていた。
その年デビューしたマグヌッセンは、F1のキャリアが続くと思っていたとデンマークの『Ekstra Bladet(エクストラ・ブラード)』紙に語っている。
「シートは僕のものだと言われたんだ。心配する必要はないってね」
「正確にいつだったかは思い出せないけれど、シーズン末のことだった」
■バトンは引退記念のヘルメットも用意していた
マグヌッセンは、バトンが2014年末での引退を覚悟していたと語った。
「ジェンソンは最後の2戦でベストレースをやった」
「本当に素晴らしかった。でも同時に、彼は部屋にキャリアの写真を全部飾っていたんだ。“グッドバイ”と書いたヘルメットも用意してあった」
「最後の2レースで彼はとにかく楽しむためだけに走っていた。ストレスもプレッシャーもなくね。F1はこれで終わりだと100%信じていたんだ」
■将来に目を向けるマグヌッセン
しかし、結局チームは考えを変え、マグヌッセンに与えられたのは控えドライバーの職だった。そして1年後にはその仕事も失った。
「F1は厳しい世界だ」とマグヌッセンは話す。
「そこでやっていけないなら、ほかのことを探すしかない。もっといい形もあったと思うけれど、いまさら何の意味がある? もうどうでもいいよ」
また、バトンに恨みはないとマグヌッセンは語っている。
「ジェンソンは特に優れたドライバーだし、僕たちの間にわだかまりはない」
「同じスポーツで同じシートを掛けて競い合った。心から尊敬しているよ」
マクラーレンについては、マグヌッセンは次のように語った。
「今、マクラーレンには優勝できる速さがないから、どちらにしても僕がいたい場所じゃない」
「だけど、彼らに変わろうという気持ちがあるなら、復活できる可能性は高いと思う。僕にとっては終わったことだ。今は新たに出直そうという気持ちだよ」
23歳のマグヌッセンは、来年メルセデスからDTM(ドイツツーリングカー選手権)に参戦すると見られている。