F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、F1ドイツGPの将来は保証できないと語っている。
■ドイツでのF1人気低下は謎だとF1ボス
ほんの10年前には、ドイツ出身のミハエル・シューマッハが大活躍したことにより、ドイツでのF1人気も非常に高まりを見せていた。
だが、現在はセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)、ニコ・ロズベルグ(メルセデスAMG)、ニコ・ヒュルケンベルグ(フォース・インディア)という3人のドイツ人ドライバーを抱え、ドイツの自動車会社メルセデスのワークスチームが2年連続でF1タイトルを獲得するという活躍を見せているにもかかわらず、ドイツでの観客数やテレビ視聴率は下降線をたどり続けている。
「それは私にとっても謎だよ」
ドイツの『Die Welt(ディー・ヴェルト)』にそう語ったエクレストンは、次のように続けた。
「何が悪かったのは分からないが、ドイツでF1人気が失われたのは確かだ」
■2017年には再びドイツGP開催危機
近年、ドイツGPはニュルブルクリンクとホッケンハイムが交互開催してきていた。今年開催予定だったニュルブルクリンクは経営破たん後の所有権問題などが解決していないこともあってキャンセルとなったが、2016年には現在の契約に基づいて、ホッケンハイムでドイツGPが開催されることが確定している。
だが、2017年は本来であればニュルブルクリンクでの開催となるが、現状では同サーキットでF1レースが復活する見込みはほとんどないと考えられている。そうなれば、2017年には再びドイツGPが開催されないという状況を迎えてしまうことになる。
■一度はニュルブルクリンク購入で合意していたエクレストン
エクレストンは、ニュルブルクリンクに関して『Motorsport-Magazin.com』に次のように語った。
「あそこが売りに出されたとき、私が購入することで合意していたんだ」
「そうしたら彼らがまた私のところへやってきて、ほかにも入札者がおり、そちらのほうが100万だか200万だか高かったと言ったんだ」
最終的に、エクレストンよりも高額で入札した者がニュルブルクリンクの新オーナーとなったわけだが、その後新オーナーが約束通りの支払いを行うことができず、ニュルブルクリンクの苦境がさらに継続する状況となっている。
「ばからしいことに、200万のために、彼らは今後100年にわたってレースを確実に開催できる者(エクレストン)を失ってしまったのさ」
「残念だし、しゃくにさわることではあるが、それがニュルブルクリンクを失った理由だよ」
■2017年のドイツGP開催は絶望的
そして、エクレストンは2017年までに現在のドイツでの状況が変わるとは考えていないようだ
「間違いなく(2017年に)レースは開催されないと言えると思うね」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「来年(2016年)は問題ないよ。契約があるからね。非常によいものだとは言えないが、契約はある」