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ルノー、メルセデス並みのF1予算に

2015年12月08日(火)16:47 pm

2016年からフルワークス体制でのF1チャレンジを再開することが明らかとなったルノーだが、トップに返り咲くためにメルセデスに匹敵するほどの年間予算を組むことになると、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じた。

それによれば、かつてルノーのワークスチームであったエンストンに本部を構えるロータスを買い戻したルノーは、今後年間に2億ユーロから2億5,000万ユーロ(約267億円から334億円)ほどの予算をつぎ込むことになりそうだという。

だが、ルノーはロータス買収に関しては非常に賢いやり方をとったようだ。現在のロータスオーナーであるジェラルド・ロペスを株主にとどめるとともに、F1最高責任者であるバーニー・エクレストンとの交渉において、ルノーの“歴史的身分”を考慮した上で7,000万ドルから8,000万ドル(約86億円から99億円)ほどの支払いを受けることを勝ち得たと言われている。つまり、ルノーは、実質的には自己資金を投ずることなくロータスを買収したことになる。

■タグ・ホイヤー命名権は40億円?

そればかりではない。レッドブルでは2016年に搭載するルノーエンジンにタグ・ホイヤーのブランド名を付けることを明らかとしたが、ルノーはその命名権を売却したことでレッドブルから3,000万ユーロ(約40億円)を得ることになると考えられている。

さらに、これまでレッドブルのタイトルスポンサーを務めていたインフィニティが同チームのスポンサーを降りることも発表されたが、もちろんインフィニティはルノー傘下の日産の高級車ブランドであり、ルノー・グループとしての出費はこれにより大きく減ることになる。

レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーは、次のように語った。

「今回の(ルノーとの)新しい契約には、ルノーと日産の提携にかんする宣伝活動などは何も含まれていない」

「我々は、インフィニティが今後の計画をうまく進められるよう祈っている」

■2016年はルノーにとって移行期に

さらに、ルノーのワークスチームは2016年からフランスの石油会社トタルによる大きな支援を受けることになると考えられている。現在ロータスはパストール・マルドナードのスポンサーであるPDVSA(ベネズエラ国営石油会社)から多額のスポンサー料を受け取っているが、ルノーの最高経営責任者であるカルロス・ゴーンは、2016年に向けて既存のパートナーやドライバーの見直しを行う可能性も示唆しており、今後どういうチーム体制となるかについてはまだ予断を許さない状況だ。

だが、エントリー名やそれに対する賞金分配など、複雑な仕組みがあるF1において、ルノーのワークスチームにとって2016年は移行のための1年となりそうだ。

ロータスの現チームオーナーであるロペスは、来年のクルマは実際には「ルノーエンジンを搭載したロータス-メルセデスと呼ばれるのではないか」と発言している。

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