元F1ドライバーのマーク・ウェバーが、キミ・ライコネン(フェラーリ)のF1キャリアも終わりに近づいているかもしれないと語った。
■フェラーリでは苦戦が続くライコネン
2007年にフェラーリ最後のチャンピオンドライバーとなったライコネンだが、2010年から2年間F1を離れていた。しかし、2012年にロータスでF1復帰を果たすと、アブダビGPで3年ぶりの優勝を遂げ、翌2013年にも開幕戦オーストラリアGPで優勝を飾る活躍を見せた。
だが、2014年に古巣フェラーリへと戻ったライコネンは、フェルナンド・アロンソ(現マクラーレン)に大きく水をあけられてしまう。さらに、2015年のチームメート、セバスチャン・ベッテルとの戦いにも苦戦を強いられてしまった。
36歳となった最年長現役ドライバーのライコネンにとって、2016年シーズンもそれほど楽なものとはならないかもしれない。
ライコネンと同じフィンランド出身であり、2度F1チャンピオンに輝いた経験を持つ元F1ドライバーのミカ・ハッキネンは、「(2016年には)彼(ライコネン)はまず自分のチームメートに勝つことが必要だ。そうすれば、次の段階へと進むことができるだろう」と語った。
■有終の美を飾ってもらいたいとウェバー
有名なル・マン24時間レースを擁するWEC(世界耐久選手権)で2015年のタイトルを獲得したポルシェ・チームのウェバーは、F1ではどんなすぐれたドライバーでも、いつかは絶頂期を過ぎて下り坂に向かうことになるものだと次のように語った。
「キミも少しばかり僕と似たような経験をすることになるんじゃないかと思うよ」
「キミは、すでに絶頂期を過ぎているし、そのキャリアを終える時期が近づいている。僕たち誰にでも、その時はやってくるものだ」
「やる気を高い状態で保ち続けることがどれほど難しいかということを僕は知っている。とりわけ、パフォーマンスに影響を及ぼす細かいことをすべてうまくまとめることが難しくなるんだ」
「それは無理な要求とも言えるものだし、セバスチャン(ベッテル)のような若いドライバーと対する場合、それはさらに難しいものになってしまう」
フィンランドの『Turun Sanomat(トゥルン・サノマット)』にそう語ったウェバーは、次のように付け加えた。
「僕はキミのことを非常に尊敬している。彼は間違いなく最高レベルのF1ドライバーだよ。彼が有終の美を飾ってキャリアを終えることができるよう期待するだけだ」
■2016年がキャリアの正念場に
ハッキネンも、ライコネンは2016年にすべてのエリアにおいて高いレベルのパフォーマンスを発揮する必要があると『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』に次のように述べている。
「チームがドライバーの分析を行うとき、彼らは数字や結果だけではなく、仕事をする上での意識やチームワークといったことにも注目することになる」
ライコネンの後任としてフェラーリが獲得に動くのではないかとうわさされたバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)のマネジメントチームの一員でもあるハッキネンは、次のように付け加えた。
「彼が来シーズンどういう働きを示すか、興味深くなりそうだね」