ロマン・グロージャンが、年内からマラネロにあるフェラーリのファクトリーで2016年に向けた準備活動を開始することになると語った。
■古巣を旅立ち、新たな挑戦に向かうグロージャン
2009年のF1ヨーロッパGPで当時のルノーF1からデビューを飾ったグロージャンは、その後ずっとエンストンに本部を構えるチームでF1ドライバーとしてのキャリアを築き上げてきた。
ロータス・ルノーGPと名を変えたチームはその後ルノーの手を離れ、ロータスとして現在に至っていた。だが、3日(木)には、ルノーが同チームを買い戻し、2016年から再びルノーのフルワークスチームとしてF1への挑戦を行うことが正式に発表されている。
だが、グロージャンはすでに9月の時点で、来季は新たにF1参戦を開始するアメリカのハースへ移籍することが明らかとなっていた。
そのグロージャンは、『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』に対し、2015年シーズンは特に後半が厳しかったと次のように語った。
「最大の問題は、クルマの開発が滞ってしまったことだった。僕たちのクルマは基本的にメルボルン(開幕戦オーストラリアGP)のときと同じものだったよ」
■ハース移籍は将来のフェラーリ移籍への布石
グロージャンは、長年にわたって苦楽を共にしたエンストンを離れるのはさびしいと認めながらも、現在は今後に向けての期待に胸を膨らませていると次のように続けた。
「フェラーリとのパートナーシップによって、僕たちもいいクルマが持てると思っている」
もちろん、グロージャンにとって重要なことは、今回のハース移籍によってフェラーリとの太いパイプができることだ。ハースはF1参戦を開始するにあたり、フェラーリと業務提携契約を締結。実質上フェラーリの“Bチーム”的位置付けとなると言われている。
「それは、どんなドライバーにとっても夢だからね」と、いつかはフェラーリの赤いマシンを駆りたいと語ったグロージャンは、次のように続けた。
「だけど、最初に目指すのは、アメリカのチームを成功に導くことができるドライバーとなることだよ」
いつから2016年シーズンに向けた作業を開始することになるのかと質問されたグロージャンは、次のように答えた。
「もう12月から始めるよ。マラネロでね。そこに僕たちが使う風洞やシミュレーターがあるんだ」