元F1ドライバーのミカ・ハッキネンが、今のメルセデスAMGのF1カーであれば、ルイス・ハミルトンやニコ・ロズベルグ以外のドライバーでも勝てるはずだと語った。
このハッキネンのコメントは、メルセデスAMGの実質的なチーム代表であるトト・ヴォルフが、場合によっては現在のドライバーラインアップを見直す必要が出てくるかもしれないと語ったことを受けて語られたものだ。
■最強メルセデスAMGだがチーム内に不協和音も
2年連続でF1タイトルを獲得したハミルトンと、そのチームメートであるロズベルグは、今季も昨年同様19戦のうち16レースでチームに勝利をもたらした。
しかし、ハミルトンとロズベルグの関係は悪化の一途(いっと)をたどっているようだ。
今年のF1最終戦が行われた先週末のアブダビにおいても、2人はお互いにとげのあるコメントを発しあっていた。
2015年シーズンもメルセデスAMGが圧倒的な強さを見せつけて終わったことをハミルトンと一緒に夕食をとりながら祝ったりするのかと質問されたロズベルグは、「その部分は飛ばしてしまおう」と一言。
一方のハミルトンも、2人の間でクリスマスカードやプレゼントの交換はしないのかと尋ねられると、「これまでそんなことをしたことがないし、それを変える理由なんてないよ」と答えている。
ヴォルフは今週、そういう2人の敵意は単にメディアに取り上げられているだけでなく、表からは見えないメルセデスAMGのチーム内にも存在していると語り、それがチームにとってよくない影響を及ぼしていることを示唆している。
■ハミルトンやロズベルグでなくても勝てるドライバーはいる
そんな中、仮にハミルトンかロズベルグが抜けて、誰かほかのドライバーが加わったとした場合、メルセデスAMGはこれまで通りの強さを発揮することができると思うかと質問されたハッキネンは、「いい質問だね」と答え、次のように続けた。
「メルセデスAMGは最強のクルマを持っている。だから間違いなくそのクルマでF1タイトルを取ることができるドライバーも何人かいるよ」
自身のスポンサーである『Hermes(エルメス)』とのインタビューでそう語ったハッキネンは、次のように付け加えた。
「だけど、それほど大勢ではないと思うよ。と言うのは、チームとしてもクルマの開発ができるだけの技術を持ったドライバーが必要だからね。それに、経験の持つ役割も大きいんだ」