今季23年ぶりに復活したマクラーレン・ホンダだが、かつて黄金時代を築いた伝説的チームのおもかげはまったく見られないままに2015年シーズンを終えている。
●F1最終戦 アブダビGPでアロンソが3番手となるファステストラップを記録したが・・・
■大口スポンサーを失い、苦しいマクラーレン
チームランキングも昨年の5位から9位へと転落。今季の賞金も大幅に減額されることになり、現在タイトルスポンサー不在のマクラーレンにとっては財政的にもさらに厳しい状況を迎えることになるだろうと言われている。
近年、F1タイトルから遠ざかっているマクラーレンだが、最高権威の座にあるロン・デニスはスポンサー料の値下げを頑として拒否。その結果、いくつかのスポンサーがチームを離れてしまっている。
そのひとつが、タグ・ホイヤーだ。長年マクラーレンのスポンサーを務めてきたタグ・ホイヤーだが、2016年からはライバルチームであるレッドブルのスポンサーとなることがすでに発表されている。
■レッドブルの2016年エンジンにはタグ・ホイヤーのバッジ?
さらに、最近のうわさでは、タグ・ホイヤーが2016年にレッドブルが搭載するエンジンの命名権を取得するつもりではないかと言われている。
つまり、レッドブルがルノーから購入するエンジンに、タグ・ホイヤーという名前が付けられるのではないかというものだ。
最近、レッドブルのチーム代表であるクリスチャン・ホーナーが、2016年に搭載することになるエンジンに関し、「ロン・デニスはうれしくないだろうと思うよ」と意味深長な発言をアブダビで行ったことが報じられていた。
もしそのうわさが真実で、タグ・ホイヤーがそこまでレッドブルに資金を投じるということが明らかになれば、確かにデニスとしては面白くないだろう。
だが、実際に自動車メーカーではないタグ・ホイヤーの名称がエンジン名に使われるというのは普通では考えにくいことだ。当初、現在のレッドブルのタイトルスポンサーであるインフィティという名称となるのではないかとのうわさもあったが、最近では日産というブランド名が与えられるのではないかとの推測もされているようだ。
■レッドブルは自業自得だとデニス
ともあれ、デニスとホーナーの関係がぎくしゃくしている証拠は、すでに先週行われたF1委員会においても見られていたようだ。伝えられるところによれば、デニスがホーナーに対し「愚痴をこぼすな」と語っていたという。
2016年のエンジンを確保するために四苦八苦していたレッドブルだが、同チームにホンダがエンジンを供給することに「拒否権」を発動したことが明らかとなっているデニスは、イギリスのテレビ局『Sky(スカイ)』に対し、次のように語った。
「クリスチャンが現時点で経験していることのいくつかは、自ら招いたものだ」
いずれにせよ、デニスも悠長なことを言っていられないのも事実だ。このまま不振が続き、スポンサーがつかず、チーム運営にも大きな支障をきたし、ついにはフェルナンド・アロンソやジェンソン・バトンにも見限られるというようなことにでもなれば、それこそライバルチームからは自業自得だと言われかねないだろう。