29日(日)に決勝が行われた2015年のF1最終戦アブダビGPでは、ドライバーズランキング4位のゆくえに注目が集まっていた。
■アブダビでフィンランド人同士の対決に終止符
レース前の段階では、136ポイントを獲得していたバルテリ・ボッタス(ウィリアムズ)が1ポイント差でキミ・ライコネン(フェラーリ)をおさえて4番手に位置していた。
26歳のボッタスと36歳のライコネンは同じフィンランド出身のドライバーであり、今シーズン序盤から中盤にかけては、フェラーリが今季限りでライコネンを放出し、来季はボッタスをその後任ドライバーに据えるだろうとのうわさが強くささやかれていた。
さらに、ロシアGP(第15戦)とメキシコGP(第17戦)ではこの2人がクラッシュし、お互いに1度ずつ相手をリタイアに追い込んでいた。
その2人が1ポイント差で最終戦にランキング4位を争うことになったわけだが、予選3番手となったライコネンが順調にその位置をキープしてフィニッシュしたのに対し、6番グリッドからスタートしたボッタスは、レース開始直後に順位を下げてしまう。さらに、ピットでもマクラーレン・ホンダのジェンソン・バトンとの接触事故を起こしてペナルティーを科せられるなどいいところがなく、結局ボッタスはノーポイントでレースを終え、ライコネンのランキング4位が確定している。
■問題は残されているとフェラーリ創設者の息子
アブダビGPでは、メルセデスAMG勢には手が届かなかったものの今シーズン3度目の表彰台に上ったライコネン。だが、今季を通じてチームメートであるセバスチャン・ベッテルには大きく水をあけられてしまったのは事実だ。
フェラーリの創設者エンツォ・フェラーリの息子であるピエロ・フェラーリは、アブダビでフィンランドの『Ilta-Sanomat(イルタ・サノマット)』紙に次のように語った
「キミはいいレースをしたよ。だが、問題がないわけではない」
「今シーズンのキミは全体的に本来期待されていたほどよくはなかった。だから、来年は新しいクルマで新たなパフォーマンスを示して、もっとよくなることを期待しているよ」
F1最高責任者のバーニー・エクレストンも「キミが勝てないことにいつもがっかりさせられているよ」と語り、現在最も人気のあるF1ドライバーだと言われているライコネンの活躍を期待していることをほのめかしている。
■ライコネンは必ず復活するとフェラーリのボス
フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネは、次のように語った。
「昨年と比べれば、今年のほうがキミにとってはいい年になった。だが、浮き沈みがあったのも事実だ」
「彼がいい仕事をしているのは確かだ。だからといって今以上のことができないというわけではないし、彼がもっと改善されることを期待しているよ」
そう語ったアリバベーネは、次のように付け加えた。
「彼ならきっとそうできるはずだ。彼は素晴らしいドライバーだからね」